先日、頭蓋セラピストのセミナーの一環で頭の経絡のツボの講師をしてきました。
本来なら1月に行われる予定のセミナーでしたが、まん延防止重点措置が発令され、やっとリアルでの対面セミナーが終了です。
セミナーのために臨床でよく使う頭のツボを選別し、解剖学的な位置と効能についてまとめました。

頭のツボは臨床でもよく使いますが、私たちは体全体のバランスを診て治療をします。頭のツボに鍼を打つとしてもそこだだけを診ているわけではありませんし、効果もひとつではありません。
あえて経絡の話も入れてお話をしました。それが良かったです。頭のツボについてだけではなく、経絡にも触れたことで話が広がりました。自分の担当が終わった後も残ってセミナーを聞けたのもよい刺激になりました。ズームやウェブの勉強会やセミナーが増えましたが、体を触らないと分からない分野では実際に集まるのは貴重な機会です。
選んだツボすべての解剖学的情報を書くのはなかなか大変でしたが、やってよかったと思います。

今回はマニアックな話題です。お灸道具の話です
私が普段使っているのはこんな感じです。
①着火に便利なターボライター(サスティナブルなガス補充できるタイプ)
②灰皿 100均のやつ タバコ消し(線香の火を消すのに便利)
③艾(もぐさ)ヨモギでできています。これをごま~米粒大に捻って燃やします
今はこれを使っていますhttps://www.karadahouse.jp/fs/karada/gr_mogusa01/FGE00101

線香
香料を含まないので自然な香りです。山正の灸用線香です。お仏壇用と比べ太いので折れづらいのです。https://item.rakuten.co.jp/towatech2/046-0112-001/

お灸を据える動画です。こんな感じに捻っては火をつけを繰り返し熱を身体に入れていきます。
昔は自宅でお灸を据えていたようです。せんねん灸だけでなくお灸を極めたい方はセルフ灸お試しください。
※直接肌に据える灸は、小さい火傷になります。痕も残る場合もございます。
お灸はセルフケアにお勧めです。日本伝統のお灸を普及させる私の夢の一つでもあります。
西村
70代 女性
不眠、足腰の冷えとだるさ、物忘れ
目次
・【 お困りの症状】
・【 お身体の状態と見立て】
・【 鍼灸施術方法と経過 】
・【 担当よりコメント 】
【 お困りの症状】
・よく眠れない日が多い
・足腰がだるくて仕方ない
・物忘れすることが多くなった
【 お身体の状態と見立て】
・以前より眠れないことはあったが、眠れない日がだんだんと増えてきている
・寝付いても少し眠るとすぐに目を覚ましてしまうことも増えた
・足腰が冷えてだるいため眠るときに湯たんぽを使ってみたところ、更に眠れなくなった
・ここ1年くらい物忘れすることが増えた
・寝汗をかくことも増えた
・心臓がドキドキして気になることがある
・顔が火照って赤くなり、めまいも気になる
数年前に病気の為入退院を繰り返していた。
病院で過ごすという環境の変化の為に眠れないと思っていたのだが、自宅療養になっても眠れない日が続き、それがストレスとなっている。
長く続いた病気の為に、
身体の必要なところを温め、必要なところを冷やすという相互関係が上手く働かなくなり、
陰陽のバランスがとれなくなった。
その結果、身体の中の熱を抑えきれずそれが上部を侵襲し不眠や動悸が起こり、
また熱がこもって顔のほてり、寝汗をかく。
反対に温めるべき場所が上手く温まらないために足腰が冷えてだるくなった。
さらに頭部をうまく栄養できないことによって、物忘れやめまいなどの各症状が起こったと考えられる。
【 鍼灸施術と経過 】
・上部を侵していた余分な熱をとる
・心を安定させる
・陰陽のバランスを整える
以上をメインとした施術を行った。
1.5〜2週に1回のペースで6回治療。
現在も月に2回程度で治療継続中。
鍼治療後はとてもよく眠れる。
その後しばらくするとやや元にもどるものの、治療開始前に比べると随分楽になった。
物忘れに関してはあまり実感はないが、足腰の冷えてだるい感じなどはかなり改善されてきた。
気持ちも楽になるので続けて治療希望。
【 担当よりコメント 】
よく眠り美味しく食べられる。生きていく上で必要なことですが、
悩みを抱えているかたは多いです。簡単なことのように思えることでも意外と難しくあります。
毎日すっきり眠れて気持ちよい朝を迎えられるように、鍼灸治療でお手伝いできればと思っています。
・EDO鍼灸治療院の症例報告

ツイッターでも情報発信中!

インスタもやってます!

FACEBOOKもやってます!
鼻水、鼻づまり、目のかゆみ・・・。今年もそろそろ花粉で悩まされる時期になってきます。
東洋医学では花粉症を、
①身体にこもった熱が炎症を悪化させる
②身体に滞った水分が、鼻水として止めどなく流れてしまう
という状態にあると捉え、頭や顔、頚肩周りのコリをほぐし、身体にこもってしまっている熱や、巡りが悪くなることで滞っている水分を流したり、熱の発生源となる胃腸の調子を整える治療(おなかの鍼)を行います。
ヨーグルトや納豆を食べる事で花粉症の症状が改善されるケースがあるようですが、これは腸内環境が整えられる事でみられる反応のようで、鍼灸治療でも胃腸の調子を整えることを大切にしています。

効果に個人差はありますが、症状の緩和や薬の量が減るなどの効果が期待できます。今年の花粉症には鍼灸治療もあわせてお試しください。
冬から春に移り変わる時期になると「こむらがえり」を訴える人が増えます。
こむらがえりは医学的には有痛性筋収縮といわれます。こむらがえりという名称はふくらはぎの腓腹筋のことを「こむら」と呼んでいたことに由来します。ふくらはぎや足の甲がつると言う人が多いですが、前側(前脛骨筋の辺り)がつる人もいます。つる場所は人によって様々です。こむらがえりは寝ているときに起こりやすいですが、動きすぎの筋肉疲労でもなりますし、動かなすぎでもなります。腰部脊柱管狭窄症、妊娠中の方、糖尿病の方などはこむらがえりになりやすいです。
東洋医学では春になると筋肉に関する不具合が起こりやすいとされています。冬から春にかけて人間の体も活性化してきますが、冬の間に蓄積したものを排出して体のバランスを整える必要があるでしょう。
ミネラル不足でこむらがえりになると言われていますが、ミネラルは筋肉や神経の伝導に役立っています。春野菜を食べてミネラルを補足することはこむらがえりの予防にも繋がります。現代人はミネラル不足と言われていますが、精製された製品や加工食品は加工される過程でビタミンやミネラルが除かれてしまう場合が多いようです。食品の質が変化してきているので、意識してミネラルを摂取したいですね。
★オススメの食品: 緑黄色野菜 海藻(ヒジキは特におすすめ) 魚介類 レバー バナナ ナッツ類 など
春になって体を動かしたくなる方もいるかもしれません。とても良いことですが、運動した後はストレッチをして疲労した筋肉をいたわってあげてください。ストレッチをするとしないでは、その後の体の状態が全然違います。急に運動を始めて不具合を起こす方も多くなります。こむらがえりになるから鍼灸院に来るという方はいませんが、色々ある症状の中でこむらがえりを挙げる人は結構います。腰痛があるとか、冷えるという方が多いので、それに対する鍼治療をするだけでこむらがえりは良くなります。
お身体で困っている事、鍼灸師に相談してみてください。
53歳 女性 人事関係
慢性的に肩こりを感じる。忙しくなると首の横から肩にかけてがちがちになる。
目次
・【 お困りの症状】
・【 お身体の状態と見立て】
・【 鍼灸施術方法と経過 】
・【 担当よりコメント 】
【 お困りの症状】
・首横から肩上部の筋のコリがひどい
・ひどくなると頭痛になることもある
・5年前に五十肩
・足はむくみやすい
【 お身体の状態と見立て】
・みぞおちまわり、上腹部の緊張が強い
・肩甲骨間の背中が板のようにがちがちに硬い
・肩をすくめている。
・こめかみに青筋あり
精神的な緊張あると肩をすくめる姿勢を取りやすい。首の前側には頸動脈がありココを守という本能が働いていると考えられる。寒いときもここを冷やさないよう肩をすくめる。
ストレスで肩をすくめやすいのは女性に多いように思う、ストレスに敏感に反応しやすいタイプの方は上半身の力が抜けなくなって首肩こりの症状を起こしやすい。また同時に食いしばりをしておりこめかみの筋肉が緊張し静脈(青筋)が浮いて見えることがある。
【 鍼灸施術と経過 】
・首横~肩甲骨、首前の筋肉の緊張をとる、左肩の動きに制限があるためココも施術。(辛い所の施術)
・上半身に緊張がある方は、下半身の緊張が少ない傾向にあり、下半身に力を入れやすい状態にする。(症状原因の根本となるところの施術)
・週一ペースで施術を6回行った。施術毎に緊張が出にくくなっている、肩0も下がり表情が柔らかくなった印象。
ご本人も大分楽になってきてメンタル面でもやる気が出てきたとの事です。
【 担当よりコメント 】
身体の状態は気持ちに影響します。在宅ワークの影響か気持ちが落ち込んでいる方が多く見られます。身体の動きが少なくなることが気持ちに影響しているように思います。

・EDO鍼灸治療院の症例報告

ツイッターでも情報発信中!

インスタもやってます!

FACEBOOKもやってます!
30代 女性
月経痛、下腹部や腰の痛み
目次
・【 お困りの症状】
・【 お身体の状態と見立て】
・【 鍼灸施術方法と経過 】
・【 担当よりコメント 】
【 お困りの症状】
・月経前または月経中(特に1.2日目)にお腹が痛くなる
・痛みがひどいときは腰の方まで痛くなり仕事に支障をきたす
・月経前のイライラがひどい
【 お身体の状態と見立て】
・ここ4ヶ月くらい痛みが悪化
・ひどいときは腰の方まで痛くなる
・痛み止めを飲んで休んでいても痛い
・経血量は少なくスッキリ出ない
・経血色は鮮やかな赤ではなく暗めの色
・経血の中に血の塊が混ざることが多い
・血塊の大きさは母指頭大かそれ以上の大きさ
・血の塊が出ると痛みが楽になるようなきかする
・婦人科で検査したが子宮筋腫等、問題はなかった
・月経前は乳房が張って痛くなる
半年ほど前から特に仕事が忙しくなり、ストレスが増大。
その影響で身体の巡りが悪くなり、気の滞りが起こる。
その結果、血液の流れも悪くなり痛みなど各症状を生じたと考えられる。
【 鍼灸施術と経過 】
・気の滞りを解消し、流れを良くする
・血行を改善し、痛みを止める
以上をメインとした施術を行った。
1週に1回のペースで4回治療。 現在は10日~14日に1回で治療継続中。
月経前に乳房が張って痛い感じはほぼなくなってきた。
今まではそれもイライラの原因となっていたので、月経前のイライラも改善されてきている。
月経中の下腹部の痛みはまだ多少残るものの、腰まで痛くなることはなくなった。
無理はせず年末年始はゆっくり過ごそうと思っているとのこと。
【 担当よりコメント 】
月経前や月経中の痛みや不調は痛くても仕方ない、ひたする我慢するしかない、
というものではありません。 それは体調を表わすサインでもあります。
鍼灸治療で毎月、毎日快適に過ごして頂けるお手伝いをして行けたらと思っております。
まだまだ寒い日が続き、 コロナも油断ならないストレスの多い毎日ではありますが、
EDO鍼灸治療院、今年もよろしくお願いいたします。
・EDO鍼灸治療院の症例報告

ツイッターでも情報発信中!

インスタもやってます!

FACEBOOKもやってます!
1月20日(木)は大寒、一年で一番寒くなると言われている時期です。先日、都内でも雪が降りましたが、その前後に身体の痛みや違和感が出たという方がいたかもしれません。
寒さ(寒邪)で身体が冷やされると、痛みや不調が現れる事があります。血液の巡りが悪くなり、滞りを起こす瘀血(おけつ)と呼ばれる症状が原因で、手や足の筋肉が硬くなったり、関節がこわばり、動きづらくなるなどの反応が身体に現れます。
年を重ねると代謝が落ち、今までは気にもしなかった「冷え」によるトラブルが多く現れるようになります。身体の温かさを保つ寒さ対策はしっかり行って下さい。
胃腸疲れが原因で肌が荒れる⁉東洋医学の考え方
寒さや食べ過ぎによる胃腸のダメージは、肌が荒れる・乾燥するなどのトラブルの原因になります。食べ物が脾胃(胃腸などの消化器官)で消化される過程で身体に必要な水(涙、汗、唾液、リンパなどの元になるもの)・血が作り出されると考えられていて、その量が足りなくなると肌の乾燥が起きます。
鍼灸や漢方などの東洋医学では、肌の乾燥を水・血の生成不足と考え、肌のトラブルには胃腸の働きを取り戻す治療を積極的に行っています。最近肌の乾燥が特に酷いという方は、スキンケアにプラスして胃腸を助けるお灸ケアもあわせて行いましょう。
太白(たいはく)
足の親指を曲げてできるシワの踵寄りにとります。

足三里(あしさんり)
外側の膝の皿から、自分の指4本分足首に向かって下がった場所にとります。

昨日(2022年1月10日月曜日)NHKで「東洋医学ホントのチカラ」が放送されていました。
NHK健康チャンネル【特集】こころと体を元気に!東洋医学ホントのチカラ 鍼灸・漢方薬・太極拳・ヨガ
ご覧になった方もいるかもしれません。NHKで東洋医学関連の番組が放送されるようになってかなり経ちます。番組が放送されるとしばらくは反響がありますし、番組を見て鍼灸院に来院される方もいます。
私も番組を見ていましたが、今回の放送で印象に残ったのは呼吸に関することでした。というのも、マスクを着けている時間が増えて、呼吸が浅い人が本当に多いからです。コロナ禍の前も呼吸が浅い人は既に多かったのですが、マスク生活でさらに呼吸が浅くなっています。
呼吸が浅いと肩や胸を使って呼吸を行うので、肩こりや疲労感にも繋がります。呼吸関連で使う筋肉が緊張するので体のコリにも繋がりますし、コリだけに留まりません。自律神経のバランスが乱れてイライラします。呼吸が浅くなって酸素を取り込もうとすると口呼吸になります。口呼吸だと、口が乾燥して喉が痛くなりやすくなり、顔がたるみやすくなってフェイスラインにも影響します。
意識してゆったりと呼吸をしてみましょう。番組では「鼻から4秒かけて吸って、鼻から6秒かけて吐く」と婦人科医の高尾美穂先生が話していました。
深呼吸のポーズで呼吸をすると、より深く呼吸をしやすくなります。息を吐きながら腕を横から頭にあげて、息を吐きながら腕を前から下ろす動きがありますね。腕を動かすと呼吸筋、横隔膜も動かすことになって自然に呼吸が深くなります。
鍼を受けている途中で「呼吸が楽になって深く息が吸えるようになってきた」と言う人は結構います。深い呼吸ができるように体の緊張を取るとよいですね。
私たちは呼吸をしないと生きていけませんが、呼吸は健康な生活のための鍵でもあります。呼吸に意識を集中してみてください。
明けましておめでとうございます。
一昨年、去年となかなか収束しないコロナ。
皆様も何かとご不安な日々を過ごされたかと存じます。
今年こそは、コロナが収まりのびのびと生活できる日が来ることをお祈りいたします。
今年も鍼灸を通して、皆様のお辛い症状の改善から健やかな体作りのお役に立てますよう、ますます精進いたします。
EDO鍼灸治療院スタッフ一同
