西村院長のEDOブログ

手洗い、うがい、風邪予防

私が鍼灸学校の学生だった頃、同じクラスに看護師さんがいました。病院で夜勤の仕事もしながら鍼灸学校に通っているお方でクラスでは最年長。そのお方がまったく風邪をひきませんでした。インフルエンザにもかかりません。若いクラスメート達の方が風邪は多かったと思います。

その看護師の彼女にどういう対策をしているのか聞いたら「地道だけど、手洗い、うがいをこまめにして予防することが一番」と言っていました。私も彼女を見習って、手洗い、うがいをこまめにするようにして、風邪をひきにくくなりました。

 

疲労やストレスが溜まっていると免疫機能が低下するので、インフルエンザなどにかかりやすくなります。同じ予防をしているのに、かかる人・かからない人がいるのはなぜかという記事がありました。ウイルスは口や鼻などから侵入して喉の粘膜に定着します。免疫力が低くなっていると発症しますが、高いと増殖せずに発症しません。自然免疫が強い人、弱い人がいるので、実際は難しいことです。

鍼灸師になって以来、風邪を滅多に引かなくなりました。インフルエンザにもなった事がありません。どうやらコロナにもなっていないようです。鍼灸師として気をつけている事をご紹介します。

 

  1. 手洗い、うがいを徹底する。口腔内の清潔を保つ。
  2. 首を冷やさない。東洋医学でいう寒邪(冷え)は首から入ってきます。
  3. 食事は体を温める「陽」の作用のあるものを積極的に摂る。生姜、スパイス、根菜類など。身体を冷やす食品・飲み物に気をつける。
  4. 適度な筋トレや身体を動かすこと。
    「適度に」がポイントです。筋トレをすると身体も温まりますし血流が良くなります。
  5. 呼吸を深くする。呼吸が浅いと体も緊張するので、意識して深い呼吸をする時間を作ります。筋トレや運動をすると自然に深い呼吸になるので、その意味でも効果的だと思います。

 

インフルエンザ、新型コロナだけでなく風邪も多いです。疲れが溜まりやすい時期ですので、皆様くれぐれもご自愛なさってください。


上の写真は青森の郷土料理「けの汁」です。大根、人参、ごぼう、ぜんまい、ふき、油揚げ、凍み豆腐、こんにゃく、かまぼこ、インゲン豆、昆布、味噌 などが入っています。これは親戚の方からいただいてとても美味でした。

 

 

12/30~1/5はお休みです

本年もお世話になりました。

12/31~1/5はお休みいただきます。

来年もよろしくお願いいたします。

 

冷え症にも鍼灸ケアは有効です

寒さが厳しくなるこの季節、手足の「冷え」に悩む方も多いのではないでしょうか。

冷えは血流や代謝の低下を招き、体調不良の原因となることもあります。そんな時におすすめしたいのが、鍼灸やマッサージによるケアです。全身の血行を促進し、自律神経を整えることで冷えの改善をサポートします。

 

 

 

東洋医学の「気・血・水」という考え方に基づき、体内のエネルギー(気)や血液の循環を促します。特にツボへの刺激によって、自律神経を整え、血流を改善し、体を内側から温める効果が期待できます。マッサージは、筋肉をほぐし、血管を広げることで全身の血行を促進。これにより、冷えやすい手足にも十分な血液が行き渡ります。

 

ご自宅でできるセルフケアとして、お灸も効果的です。「三陰交(さんいんこう)」は、冷えやむくみ、生理痛を軽減させるというような効果が期待できるツボです。お灸がなければ、手で軽くマッサージするだけでも血行促進に役立ちます。

 

冷えを改善するためには、日々のセルフケアと定期的な治療の両立が大切です。お一人おひとりの状態に合わせた施術で、体の内側から温かさを引き出すお手伝いをしています。この冬、冷え対策に鍼灸マッサージを取り入れてみてください。

 

 

学びの整理:学会、研修、イベント

早いもので2024年も終わりに近づいています。年末の整理で今まで参加した学会、研修、イベントをリストアップしてみました。

◎中国 研修・学会参加 8回
2018年3月天津 2017年7月北京 2017年3月北京 2016年10月北京・天津
2016年3月南京 2015年3月北京 2014年6月北京 2011年7月上海

◎フランス 学会参加 2回
2018年11月パリ 2015年11月エクサンプロヴァンス

◎鍼灸を用いた演劇祭への参加 2回
2023年6月ドイツ 2021年3月東京

↑2023年フランクフルトで行われたTheater der Welt 2023での”Performing Acupuncture”

◎日本国内の学会参加
数え切れず…。セミナーも数えるともっと多いです。
どれだけお金がかかっている事でしょう。

◎国内学会発表 2回
2016年11月つくば(英語) 2012年10月東京(日本語)

 

学会、セミナー、イベントへの参加は視野を広げる事ができますし、経験・知識のアップデートという意味でも有効だと思います。新型コロナウイルス以降、セミナーや学会もオンラインが多くなりました。今や現地参加かオンライン参加を選ぶのが当たり前になっています。現地に行かないと分からない、体験できないことも多いので、できれば会場に足を運びたいものです。コロナ禍の最初はセミナー自体が中止になっていたので、開催されるだけいいかもしれません。

 

私がEDO鍼灸治療院に入ったのも、2015年4月開講の一年通しのセミナーに参加したのがご縁でした。西村院長も同じセミナーを受講していて、私を拾って頂きました。
ドイツと東京で行われた百瀬文さんの『鍼を打つ』に参加できたのは、2017年の北京研修に参加した仲間が誘ってくれたお陰です。セミナーで一緒だった仲間の鍼灸師を患者様に紹介する事もあります。転勤やご家族の為に他県の鍼灸院を紹介して欲しいというお願いは結構多いです。

 

フランスの学会にも足を運んでいます。フランスに限らず海外では鍼灸と漢方は別れていないので、漢方や鍼灸以外の発表もあり、非常に刺激を受けました。日本の指圧についての発表、蜜蜂療法、気功のセッションが学会の合間にあったり、日本国内の学会とは大分雰囲気が違います。フランス産の艾(もぐさ)や棒灸(ぼうきゅう)も売られていました。

 

学会やセミナーに行く為には仕事を休みにしないといけませんし、海外は期間も長くなります。行くかどうかは吟味する必要がありますが、定期的に脳に刺激を与えるのは自分のためだけでなく、患者様のためにもなります。皆様のためにも研鑽を積みたいと思っています。

肩甲骨と首との関係

肩甲骨~頸椎につく筋肉は、肩甲骨の位置により、筋肉のテンションが違ってきます。

例えば右肩下がりの場合、右側の首~肩甲骨につく筋肉は伸ばされるストレスがかかっています。

伸ばされるストレスに筋肉は疲労を起こし凝りを感じます。

この時にこの筋肉をストレッチかけるトさらに凝り感・痛みが増す可能性があります。

この時にこの筋肉をストレッチかけるトさらに凝り感・痛みが増す可能性があります。

右側首肩の症状を改善させるには、右側筋肉にかかる伸張性のストレスを減らす必要があります。

右肩下がりを正す必要があるのですが、右肩下がりの原因は、体幹、下肢の傾きの影響、右胸・脇周りの筋肉の収縮が関係しており、全体のバランスを整えてあげる必要があります。特に右胸や脇周りの筋の緊張を緩めてあげて、ちゃんとした位置に戻しやすくすることが重要です。

まとめ

・右肩下がりの右首肩の症状は、右肩首の筋肉だけをを揉んだり、鍼刺したりしてもその場しのぎになる可能性大。
・根本的に改善させるには、足や体幹部のねじれや傾き修正
・肩甲骨から胸郭にかけてつく筋(大胸筋・小胸筋・前鋸筋など)動きを制限している筋を見極め緊張をゆるめ肩甲骨の動きの改善が必要である。

 

 

冷えから起きる身体の不調

雨露も霜に変わる季節、11月。まだ暖かい日もありますが、今月はもう立冬。立冬の頃に吹く、木枯らしとともに本格的な冬が始まります。

 

人の身体は体温を外に逃さないようにするために、寒くなると皮膚の血管を収縮させ、引き締めようとします。普段から体温が低かったり、手足が冷えやすい傾向がある方は、冬になるとさらに不調を感じているかもしれません。

寒さでカラダが縮こまるようになると静脈に存在する血液の停滞が起こります。静脈は筋肉が伸び縮みする運動によって血液が流れます。ふくらはぎなどの足の筋肉の動きが少なくなると、抹消の血液を上半身に返すポンプの働きが少なくなり、足に血液が滞り、冷えが強くなることがあります。

 

 

 

血流の滞りは、血液の再生や老廃物の排出を鈍らせ、内臓全体の働きを低下させたり、自律神経を乱し、不定愁訴の原因になることもあります。冷えが毎年つらい方は、日頃から足の筋肉を積極的に動かす事を意識しましょう。血流の滞りを改善させる鍼灸治療もおすすめです。

 

講演会での学び「不妊治療 女性不妊症に対する鍼灸治療のエビデンスと鍼灸あん摩マッサージ指圧師の役割」に行ってきました

令和六年度第五回東京都委託施術者講習会に参加してきました。

今回は不妊治療について。小井戸善彦先生です。情報量が多く、大変勉強になりました。配布資料が131ページ。ページ数が多いのでセミナー参加者には事前にPDFで送られていました。

EDO鍼灸治療院では不妊治療を全面に出しているわけではないですが、不妊治療をご希望されている方々はいます。話しているうちに、実は不妊治療に通っているとお話になる方が多いです。

自律神経の乱れは不妊の理由のひとつと言われています。鍼灸治療は自律神経を整えるのは得意です。鍼やお灸の刺激は脳に伝わり、自律神経やホルモン、体のバランスを整える機能に指令を出します。リラックス効果だけでなく、全身が活性化して臓器の血流にも影響を及ぼします。

セミナーでは不妊治療のことだけではなく、鍼灸業界のこと、海外の鍼灸事情など、話題が多岐に渡っていました。

日本では鍼灸受療率が4〜5%です。実はアメリカの方が中国や日本よりも鍼灸が盛んです。特にカリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州では認知度、受診率が高いです。しかもアメリカでの鍼灸師の平均年収は日本の2倍ほどです。NHKの番組で東洋医学が取り上げられるようになって久しいのでご存じの方も多いと思いますが、米軍で効率的な耳鍼方法を開発したほどです。良いと思うと研究して取り入れる所はアメリカの長所だと思います。

フランスでも鍼灸治療は行われており、ひょっとしたらフランスの方が日本よりも需要があるのかもと思うことがあります。EDO鍼灸治療院にいらしているフランス人の方で乳癌を患い、ホルモン治療の副作用緩和のために鍼灸治療を受けている方がいます。その方はフランスのドクターから鍼灸治療を薦められたそうです。

数年前にフランス人の方がパリでは鍼灸が人気なんだと話していました。もちろん、フランス人皆が鍼に行っているわけではありません。ただ、私がフランスにいた20年前、すでにフランス人の友達3人が鍼に通っていました。当時は私は鍼灸師ではありませんでしたが、鍼灸を取り入れる友人たちの存在に驚きと同時に刺激をもらいました。

講習に参加すると色々な事を考えるきっかけにもなって面白いです。実技もあったので参考になりました。棒灸も使っていらっしました。私も棒灸は使いますが匂いが強いので遠慮します。「やっぱり使うよね」と嬉しく思いました。

症例報告:うなじ(後頭下筋)のこり

30代 性別

首が凝っている特にうなじ部分、目の奥がず~んと重い、ふわふわするめまい

目次

 お困りの症状】

 お身体の状態と見立て】

 鍼灸施術方法と経過 

 担当よりコメント 

 

 お困りの症状】

・1か月前から首のコリが強い

・目の奥が重く目を開けるのがつらい

・頭がふわふわする感じのめまい、歩くなど体を動かしたときに感じる

  

 お身体の状態と見立て】

・うなじ部、首横を押すと、痛みがある

・首を後ろに倒すと頭がふわふわする

・首を後ろ、横に倒す動きがよくない

・猫背つよい

首の動作、首の圧痛部位、触診による筋肉の硬さから、後頭部(うなじ)にある、後頭下筋のこわばりにより、首の凝り感、目の疲れ、めまいが出ていると考えられる。
うなじ部の筋肉のコリは、頭部の血流、神経に影響し症状に関係があり、目耳鼻の症状、頭痛、寝つきの悪さなどを引き起こす。
首の筋緊張は、姿勢の悪さ、目の影響、ストレスなどの要因が関わっている。

 

 鍼灸施術と経過 

・全身の状態を整えるために、手足、お腹のツボに鍼

・首、特にうなじ部の筋の硬結(凝っている部位)を丹念に探り、鍼、目の奥にず~んとした響きあり

・噛みしめによる、側頭部、あごにも筋の硬さがあるため、鍼。あごを緩めると首肩の緊張が抜けることが多い

一回目の施術後は、首が軽くなり目が開けやすくなったとの感想。

・症状の原因となっていると思われる首肩の筋緊張を緩める

・首肩の緊張を作っている姿勢改善を目標とした、肩甲骨周り、体幹部の施術

・目の体操、肩甲骨周りのエクサイズ、姿勢のアドバイスを行う

週に1ペースで施術をすすめ、6回目の施術時には

 担当よりコメント 

首の筋緊張(コリ)は頭部の症状と関りがあります。首の筋肉の緊張を緩めると頭部の症状の改善が見込めます。また首は、胸椎・腰椎・筋肉を介して肩甲骨につながっているため体幹部・肩甲骨周りの筋にもアプローチが必要と考えて施術を行っています。


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症例報告:食欲不振と不安感

30代 女性

食欲不振と不安感

目次

 お困りの症状】

 お身体の状態と見立て】

 鍼灸施術方法と経過 

 担当よりコメント 

 お困りの症状】

食欲不振が続き、食事量が減っている

・不安感や緊張が常にある

 お身体の状態と見立て】

以前に比べ、最近食欲が大きく落ちている

・胃のあたりが重たく、食事が進まない

・普段から不安感や緊張を感じやすい

・夜になるとその感覚が強くなり、なかなか寝付けない

・肩や首の筋肉の緊張が強く、上手く力を抜くことが出来ない

・顔色が悪いことが多い

・手足が冷えやすい

 

最近、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスが増加。

気の巡りが悪く滞りやすい状態となっている。

気の滞りは、精神面の不安や緊張感を生む原因にもなり、胃腸の働きにも悪影響を与える。

忙しい日々の中で気力を使いすぎ、気が不足しやすい状態にあると思われる。

そのため、胃腸が本来の働きを保てなくなり、食欲不振や身体の冷えを引き起こしていると考えられる。

また、気温が下がってきたことで身体の代謝が低下し胃腸の調子がさらに悪化、

不安感がより強くなっていると考えられる。

 鍼灸施術と経過 

全身の気を巡らせ、胃腸の働きを活性化する

・リラックス効果を高め、精神的な安定を促す

・冷えの改善を図り、身体全体のバランスを整える

 

初回施術では、全身の気の巡りを整え、ストレスにより緊張が強くなっている首肩のコリを緩和することを重点に施術を行った。

胃腸の不調を改善するため、腹部にある経穴にも刺鍼、内臓の働きをサポートすることを目的とした。

 

施術後、肩や首周りが軽くなり、少しリラックスできた気がするとのこと。

施術当日の夜は久々に寝付きが良く、翌朝の目覚めも良かった。

 

2回目以降の施術では、自律神経のバランスを整え、不安感や緊張感を軽減、リラックスを促す経穴を加える。

心を落ち着ける経穴を中心に施術を行った。

 

5回目の施術後には、食欲がさらに戻り、不安感も以前ほどは気にならなくなってきた。

また手足の温かさを感じるようになり、リラックスした状態が長く続くようになってきた。

最近では、食事を楽しむ余裕もでき、精神的にも安定してきたため、仕事にも集中できるようになってきた。

 

この良い状態を保つために定期的に鍼灸治療を続け、心身のバランスを整えながらストレスに負けない身体づくりを目指していきたいとのこと。

 担当よりコメント 

現代の生活環境では、仕事や人間関係のプレッシャーから不安感や緊張が生じやすく、

それが心身に大きな影響を与えることがあります。

特にストレスが胃腸の働きを低下させ、食欲不振を引き起こすケースは少なくありません。

鍼灸治療は、気の巡りを整え、心身をリラックスさせる効果があり、不安感や緊張を和らげるのに有効です。

 

日常生活において以下の点を意識していただくと良いと思います。

1. ストレスを感じたときには深呼吸、心を落ち着ける

2. 温かい食べ物や飲み物を取り入れて、胃腸の負担を軽減する

3. これからの寒い季節は衣服で体温を調整し、身体を冷やさないよう心がける

4. 定期的な運動やストレッチで、血行を良くする

 

季節の変わり目は、特に心身のバランスを崩しやすい時期でもありますので、

そんなときは是非とも鍼灸治療を是非ご活用下さい。

 

清末


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身体がだるい、寝ても寝足りない・・・秋の体の不調

秋から冬にかけて現れやすいといわれている季節性のうつ病。秋から冬にかけて現れ、3月ごろになると良くなるというパターンを繰り返します。最近、こんな症状はでていませんか?

 

●睡眠時間が長くなり、日中でも眠気がある

●甘いもの・炭水化物がよく欲しくなる

●気分が落ち込みやすい

●集中力が低下することが多くなっている

 

季節性うつ病の原因は、日照時間が減少することにより脳内のセロトニンの合成速度が落ちて、セロトニン神経機能が低下することで発症しやすくなります。

セロトニンの不足は脳の働きに不調をもたらします。セロトニン生成に必要なタンパク質が含まれている肉、魚、大豆やビタミン、ミネラルなどの栄養素を摂取するようにしましょう。

屋外での適度な運動を習慣化することも有効な対策です。太陽の光にはセロトニンの合成を促進する効果があります。過ごしやすい気候になってきたので、屋外での運動がおすすめです。

 

 

 

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