カッピングは必ず行う訳ではありませんが、やった方が良いと思う場合はカッピングをします。
カッピング施術のやり方はいくつかあるのでご紹介します。
1.瞬間吸玉法
吸玉を吸着させてすぐに外し、また吸着させます。「パカッ!パカッ!」と音がするので、その音が好きだという人もいます。音の効果もあるかもしれません。留置吸玉法よりも軽い刺激を施したい場合に行います。下の写真は2017年8月の北京研修の時の写真です。中国の病院では沢山やっているので当然でしょうが、手つきが鮮やかです。

2.留置吸玉法(留罐)
吸玉を吸着させてからしばらく置いておきます。これが一番多く行われているやり方かもしれません。下の写真は督脈ライン上(脊柱ライン)に吹玉を置いています。2011年の上海研修の時の写真です。

3.移動吸玉法(走罐、スライドカッピング)
筋肉が顕著に固い場合、滞りがある場合に行います。スライドカッピングはオイルを用いてカッピングをスライドさせます。優しい「筋膜剥がし」の効果もあって、普通のカッピングよりも血流促進とむくみ解消効果が高いです。普通のカッピングよりもやや刺激は強いですが、背中の筋肉が硬い方はこれが好きだとおっしゃいます。スライドカッピングは痩せている方には向いていません。
背中に行う場合が多いですが、中国研修でお腹へのスライドも見たことがあります。痩身効果があるようです。デモンストレーションでモデルだった人は「脂肪吸引されているみたい」と言っていました。
4.刺絡吸玉法(瀉血療法)
ツボや部位を選定したら、使い捨ての細い針で点刺し、その上から吸玉を吸着させます。出血したものを拭き取ります。韓国ではこのやり方の方が主流のようです。少量の血液を押し出すことで、更に血流促進し、代謝も上がります。
カッピングは誰にでも向いている訳ではありませんが、向いてるなと思う方はいます。背中がバンと硬く張っている方や、皮膚が硬め、体格がガッチリしている方にスライドカッピングをすると「足の浮腫みが取れた」「一気に背中の重だるさが取れた!」と喜ぶ人が多いです。
その他に、緊張緩和の効果もあります。
中国での吸玉の使用方法は多岐に渡っています。
顔にもカッピングをします。顔面神経麻痺の方にしていて、顔に凄い丸い吸玉跡が残っていたのを覚えています。日本人は嫌がりそうですね。中国では顔面神経麻痺で鍼灸に行く人が非常に多くて、沢山の人が吸玉と鍼を顔や頭に付けて座っている光景は壮観でした。
ちなみに中国では煮薬吸玉法、貯薬吸玉法など竹製の吸玉に漢方を染み込ませて吸玉をする方法もやっています。日本では漢方を使った吸玉はあまり見ません。それなりの設備が必要になります。リウマチなどの適応で長時間放置します。

※ カッピングNGの例
皮膚に炎症や傷がある場合、発熱している方、抗がん剤治療中の方はできません。
スライドカッピングは好きな方は著効を感じるようで、たまにスライドカッピングの為に長めの予約を取る方もいます。やって欲しい場合は40分の通常治療にオプションをつけて頂くか、60分以上の施術時間となります。スライドカッピングは20分程時間を頂きます。カッピングをしてから鍼灸施術を行います。
カッピングの引圧で丸い跡ができる場合がありますが、カッピングの跡は1週間から2週間で元に戻ります。
この投稿に使用したカッピングの写真はすべて中国研修の時の写真です。
EDO鍼灸治療院では一部、中国から送ってもらった中国針を使用しています。中国の針は日本の針とは形状が違います。中国針の方が良いと判断した方々に使用しているので、全ての方に使っているわけではありません。日本で手に入る中国針だと針先が痛く、治療に使うのにベストではないのでこれなら大丈夫というものを中国の信頼の置ける所に頼んで送ってもらっています。
今回は二箱に分けて送ってくれた所、一箱はスムーズに届いたのですが、もう一箱が税関に留め置かれました。針は医療機器扱いなので、大量だとたまに税関に引っかかります。

中国針を輸入する理由、必要性、緊急性、日本で手に入るものを使えない理由、これだけの数量が必要な理由、鍼灸師の責任、鍼師の免許、などなど書類の提出が求められます。
それぞれ理由があるのでそのまま嘘偽りなく記載します。
前にも一度税関に引っかかった事がありますが、その頃はFAXで書類をやり取りしていたので、書類を送るシステム自体は今の方が格段に便利になりました。現在では専用のインターネットサイトを通して申請します。インボイスの書き方がダメだというので、中国側にお願いして送り直してもらい、留め置かれてる東京税関に保留国際郵便物事前内容点検願書を作成してもらいました。訂正を繰り返し、やっと到着しました。

インボイス制度が変わったので少々時間がかかりました。中国から送ってくれた方が中国やベトナムにクリニックを持っていて、忙しく飛び回っているお方です。それで遅れたのもあります。
手続きが終わってみるとあっけないですが、書類が差戻しになり、休日の日もメールが来たり、個人的な携帯番号にも電話がかかってきました。なるようにしかならないことですが、ストレスになっていました。何も悪いことはしていないので、手続きを踏むだけのことです。認可を待つのみですが、あまりに長い時間かかり、もう届かないのでは…と最悪の場合を覚悟したり。
流通、貿易関係の方々がぼやいていた気持ちが少しだけ分かりました。海外とのやりとりは時間もかかりますし、必要書類のやり取りが国を隔てると時間がかかります。何はともあれ良かったです。
※参考
苏州医疗用品厂有限公司
北京中研太和
上記は中国針のメーカーサイトです。
AIの社会進出が目覚ましいです。AIが世に出始めた頃、鍼灸などはAIに取って代わることができないだろうと考える人達の方が多かったように思います。
2015年に英オックスフォード大学と野村総研が発表した研究では、医療関係はAIとの協働は進んでも、AIによる仕事の代替は不可能とされていました。また、『AIによって新たに生まれると予測される仕事』に『散歩相手や会話相手』と挙げられていました。鍼灸院には会話をしにきている方々も多いです。でも、会話相手としてAIは既に広まり始めています。既にこれもAIで代替可能となりつつあります。
「人工知能( AI :Artificial Intelligence:アーティフィシャル・インテリジェンス)」が人間らしい行動様式まで学習するとなると、今よりももっと代替が進む気配があります。人間らしさは機械に置き換えられないと断定できません。外見は人間のようなアンドロイドや鉄腕アトムのようなロボットが人間らしいコミュニケーション能力を備える日が来るかもしれません。AIアンドロイドが自動的に体温・血圧・浮腫・炎症箇所などを計測、レントゲンも撮れるような時代、それが当たり前になるのは遠く無いかもしれません。
鍼灸師が患者さんに接する時、「望・聞・問・切(ぼう・ぶん・もん・せつ)」という四診法(ししんほう)を用います。
望: その人を視覚で見た時の印象。舌診と言って舌の状態も診ます。
聞: 聴覚と嗅覚によって診断する事。声の感じ、体臭や口臭も診断の参考になります。
問: 患者さんと話しながら診断します。
切: 患者さんの身体を手で触れて診断します。脈を診たり、お腹の状態を触診します。
施術を行う側も人間なので主観が入ります。診る人によって感覚が違う事は良い点にも悪い点にもなり得るでしょう。膨大な患者さんデータを持つAIの方が向いている所もあるかもしれません。
先日、医療関係者は人間らしくあって欲しいと言っていた患者さんがいました。人間でも疲労や多忙な故に機械的になることもあると思います。その患者さんは医療機関での『人間らしくない』対応に不満があるとの事でした。
『人間らしく』対応するという事をその方との会話で考えさせられました。目に見えて変化しているAI社会を見ていると、2015年時点の研究もアップデートされるかもしれません。人間は疲労します。疲労や体調によって『人間らしさ』を失うことは誰でもあります。自分の疲労の声を聞いて、人間らしく対応ができればいいなと思います。
中国から鍼が沢山やってきました。
私たちは色々な種類の鍼を使ってお身体に鍼を刺しています。
日本の鍼も使いますが、中国の鍼も使います。
中国の鍼も色々なメーカーのものが出ています。昔いた職場で「日本で買える中国鍼」を購入して使ったことがありますが、どうも針先が痛いのです。中国で買ったあるメーカーでも針先が同じ痛みのものがありました。
今回買った中国針は鍼の操作もしやすいですし、針先の問題もありません。中国の病院に行くとその先生の好みなのか、病院ごとに鍼が違っています。日本の鍼のメーカーも沢山あって、鍼灸師ごとに好みがありますから、同じですね。

下の写真は2018年3月に天津の病院に研修に行った時に撮ったもの。

私が使っているのと同じ鍼です。

ちなみに、中国では病院内で鍼が買えるところが多く、患者側に鍼を買ってくるように言われて必要な鍼を患者さんが買ってくるシステムの所も結構あります。そういう病院では患者さんが自分で買ってきた鍼を使って治療をされます。少なくとも鍼の衛生面では安心です。
そのせいか、中国では病院の近くの薬局でも鍼が買えるところが多いです。病院近くの薬局で鍼を買おうとしたら、10本入りで売っているものしかなく、おかしいなと思ったことがありますが、中国では患者側が鍼を買って持っていくという話を聞いて納得しました。
道具は大事です。鍼にしろ艾(もぐさ)にしろEDO鍼灸治療院に来て下さる患者様のために良いものを入手しようと思います。
3/17(土)〜24(土)の間、天津で行われる中国鍼灸研修に行ってきます。
EDO鍼灸治療院で勤務するようになってから3回目の中国研修ですが、毎回同じ主催者の方が面白いプログラムを作ってくれます。今回のテーマは小児科について。
中国では「小児推拿(しょうにすいな)」と言って、赤ちゃんや子供の背中などをマッサージする治療法が一般的です。私も小児推拿のセミナーには行ったことがありますが、大人がやられると非常に痛いものです。
今回はそれ以外の小児科手法も勉強してきます。
天津と言えば醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)という脳卒中後遺症の治療法で有名ですが、その治療の様子も見てきます。
中国は病院の中に鍼灸科があるのが普通で、鍼灸文化の土壌が日本とは全く違います。色んな刺激を受けて、パワーアップできることでしょう。
お休みの間、ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、今後の治療に活かせるように頑張ってきます。

北京研修から帰りました。
今回も貴重な体験をさせていただきました。
北京に行く前に「観光の時間なくていいですか?」と主催してくれる北京中医薬大学の博士課程の方から連絡があり、予めスケジュールを見せてもらったら、前回にもましてびっちりスケジュール。。。
でも、移動の合間に適度に色々できたので良かったです。
八日間の滞在を最大限有効に使うことができました。
今回は「交流」の要素を沢山入れてくれたので、こちらが勉強するだけではなく、日本の鍼灸の紹介もあちこちでさせて頂きました。皆さん興味津々です。
テレビに出演するような有名な先生の講義や臨床もありましたが、
針とカイロを合わせてやっている先生、
アメリカ人で北京中医薬大学で中医師の資格をとって北京で働いている先生、
新橋に中医クリニックを出している大元のクリニックにも行きました。
駐在の日本人も沢山行っている所です。
臨床や将来に向けてのヒントが沢山得られました。
↑ 私が日本の鍼を紹介させて頂きました。

↑ 中日友好病院を辞職して自分のクリニックを開いた先生の所で。

↑ ある病院で日中交流の後、カッピングをやって欲しいと頼んだら快く引き受けてくれました。日本でもやってもらった事はありますが鮮やかすぎる手つきは流石!

↑ アメリカ人の先生が働くクリニックで。ギリシャ人、台湾人の方も写っています。
2017年3月12日〜18日まで北京中医薬大学の鍼灸短期研修に行ってきました。
鍼灸師になろうと思ってから中国に行く機会が増え、今回は5回目の北京来訪でした。
中国で行われる様々なタイプの研修や学会に参加しましたが、今回の研修は今までの研修とはかなり違っていました。
少人数だからできたことでしょう。参加者が勉強したいこと、日頃の臨床で治りにくい症例を事前に聞かれていて、それに合わせてプログラムを組んでくれました。贅沢なオーダーメードの北京研修です。
病院での臨床見学だけではなく、合間には座学や実習。夜も見学や講義が続いて終わるのは22時前。かなり体力を使う研修でした。臨床見学の間はずっと立ちっぱなしなので足も疲れます。 疲労で体調を崩している参加者もいました。
研修でよくあるのは、夜は自由なので飲みに行って翌日が辛いというパターンですが、今回は飲みに行く時間さえなかったので私は却って体調は良かったです(笑)。
今日は最初の見学先、中日友好医院の胥荣东老师のことを紹介します。
China Japan Friendship Hospital
この先生は置鍼(鍼を刺したままにしておくこと)はしません。しかも鍼の刺鍼技術が独特です。武術の拳を打つように鍼を「シュッシュッシュッ!」と高速で打って手技をしていきます。
「武術や気功を練習することで鍼の技術も上達する」と仰っていましたが、この先生の刺鍼方法は武術をしている人でないとできない種類のものでした。真似しようとしてもそれなりに訓練をしていないと真似はできない。
あっという間に拳を打つように鍼を打つので治療時間も短いです。
10分ぐらいで終わります。見ていて鮮やかな鍼さばきです。

頚部ヘルニア、突発性難聴、月経不順、めまい、変形性膝関節症、脊柱管狭窄症、等。
見学している間にいらした患者さんの疾患は多岐に渡ります。


先生の著書を一人一人に名前入りでくださいました。
さっと筆を取り出してサラサラと書く姿がかっこいい!中国の先生は書に長けた方が沢山いらっしゃるようです。
中島
10月の頭に中国に行ってきます。
当初は、いつもお世話になっている先生が鍼の買い出しに行く目的のついでに、自分の師匠の治療見学もするからついてきてくれないか、
ということで先生と二人で行く予定でした。
ところが、他にも一緒に行きたいという参加希望者出て、鍼灸師三名と鍼灸学生一名の計四名で行くことになりました。
先生の昔の留学先の病院見学とその病院を引退して自分で診療している先生の師匠の所へ診療見学に行ってきます。

今回は天津と北京です。三月の南京に続き六度目の訪中です。
上の写真は八月に鍼灸師の友人が研修で行った天津中医薬大学病院の写真です。
同じ病院に行くかも知れません。
短い滞在ですが、今回は少人数での旅行で、いつもお世話になっている先生も一緒です。
盛りだくさんの旅になりそうです。
中国研修に行くと、よく朝食に「緑豆粥」が並んでいます。
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、緑豆はるさめの原料、もやしの元の姿が緑豆です。
緑豆は薬膳としてもよく使われる食材で、利尿作用、解毒作用があります。
老廃物を流し、余分な水分を出してくれるのでむくみにも良く、便通もよくしてくれて、吹き出物にも良いという魅力的な食材です。
私の知っている中医師の先生は緑豆を食べるだけでなく、すりつぶして皮膚にパックする方法も指導していました。実際、台湾や韓国では緑豆パックを手作りして肌のケアをしているようです。

緑豆は体の余分な熱を取ってくれるので梅雨から夏にかけて特にお奨めです。
便秘気味の方や高血圧の方には最適です。
常食しても良い食材ですが、熱を取る作用があるので、冷えがあって下痢気味の方はほどほどにしてください。
乾燥した状態で売られているので水で軽く洗ってから一晩ぐらい水に浸しておいてから茹でます。
緑豆はそのまま茹でただけでも優しい味で美味しいですが、ご飯と一緒に炊いたり、茹でてから「緑豆ぜんざい」にしたり、色んな食べ方が楽しめます。
私は緑豆を茹でて最後にクコの実をいれて食べるのが定番です。
先日、少し長めに2、3日水に浸しておいた緑豆がもやしになりかけていました(写真)。
この状態でもとても美味しかったです。

緑豆で体のデトックスをしてみては如何でしょう。
こんにちは。
2月からEDO鍼灸に入った中島です。
3月19日から23日まで中国の南京に行ってきました。
日本内経医学会という中国や日本の鍼灸の古典を読んで臨床に活かす勉強会があるのですが、その日本内経医学会と南京中医薬大学との学術交流研究会がありました。
南京中医薬大学に沈澍农教授という人がいて、日本内経医学会の左合昌美先生と仲が良く、この二人の先生方の友情から始まった企画です。
学術研究会の盛り上がり様が想像以上で、また次もやろうと中国側からのエールが強かったです。
南京中医薬大学のホームページにも写真が掲載されているのでご興味のある方はご覧ください。
私も集合写真には写っています。
中国南京·中日中医经典研究国际学术研讨会顺利举行

南京というと、南京大虐殺のイメージがあって日本人にはあまり良いイメージがないかもしれませんが、今回南京に行ってそのイメージは払拭されました。
私にとっては五回目の訪中でしたが、北京や上海のような大都会ではないので落ち着いていて、とても居心地が良いところでした。
中国は初めてだという参加者も「南京だったら住んでみたいな~」と言っていたぐらいです。
食べ物がとてもおいしく、美食の街だということも好印象の要因です。中国は食べ物が美味しくても旅行の終盤になると胃が重くなってくるという人がいますが、今回の研修ではそういう人が誰もいなく、むしろ皆普段より体調が良い状態でした。南京は薄味のものが多いからということと、南京中医薬大学の歓待のお蔭もあったのでしょう。
ドキドキしながら行って、ニコニコしながら帰ってきました。
普段は会うことのない関東圏以外の鍼灸師や鍼灸学校の先生、鍼灸学校の経営をしている立場の方などいろんな立場の方のお話を聞くことができたのもとても良い経験でした。
南京の様子を少しこちらでもお伝えしたいと思っています。
≪写真は南京からバスで1時間30分程の揚州市の大明寺≫
日本へ仏法や戒律を伝えたあの鑑真がこの寺の住職だったことで知られています。
