2月3日は冬から春へと季節が代わる節目にあたる日、節分。
その昔、京都の鞍馬に現れた鬼の目(魔目=まめ)大豆を投げつけたところ、鬼を退治することができた(魔滅=まめ)という話が残っているそうで、豆をまき邪気を祓う習慣が今でも残っている由来になっているようです。
そんな由緒のある豆ですが、食薬としても素晴らしい食材で、東洋医学では、体内の水の巡り(余分な水を排除し、必要なものは再循環させる)をよくする効果があると考えられています。
血行が悪くなりやすい冬場は、足腰に痛みやむくみが出やすく、泌尿器系のトラブルも多くなる時期です。豆類を意識的に食べ、水の巡りを助けてあげましょう。
豆にも色々な種類がありますが、それぞれに固有の効能があります。
黒豆
黒色や赤色の食材は血を養い巡らせる働きがあると考えられています。血行不良が起きやすい冬場にはぴったりな食材です。
大豆
胃腸を整える効果があり、だるさや疲れが取れない方におすすめです。
昆布・ひじきなどの黒色食材と合わせた煮物は、血行改善も期待できる、いまの時期にピッタリな食事になります。

今年の冬は温かく、過ごしやすい日が多いように感じますが、その温かさが嘘だったかのように、突然冷え込む日が続くなんて事もあります。
冷え込む日が続くと、つらくなるのが足の冷えです。「スカートを履くのをためらってしまう」「足先が冷たくなかなか温まらない、冷たすぎて眠れない」といった症状がでていませんか?
冷えの原因は様々ですが、血行不良、運動不足が考えられます。冷えと同時に『頭痛』『肩こり』『目眩』といった症状が見られる事があります。これは東洋医学では、下半身が冷えてしまうと、本来下半身を巡るはずの熱が上部に集まり、『頭痛、肩こり、目眩、吐き気』など、上半身の症状が引き起こされていると考えます。
頭痛や肩こりが、足を温めただけで緩和するということもあるのです。また、下痢、便秘、頻尿、生理痛なども足の冷えが原因である場合が多いのです。鍼灸が肩こりでも全身に鍼やお灸をすることがあるのはこのためです。
冷えがあるからといって、身体に痛みを感じるものではありません。気づかずに、もしくは気にせずに放置をしていませんか?冷えが原因で起きる症状が数多くあります。「冷え」侮るなかれです。
肌荒れ、喉の乾燥、咳や鼻水が出て喉や鼻がすっきりしない・・・。
最近、空気の乾燥によるトラブルが気になりませんか?その症状、身体の内側が乾燥しているサインかもしれません。
五臓の一つ「肺」はからだを巡る気を調整・コントロールし、呼吸で新鮮な空気を取り入れ、古くて悪い気を体外に吐き出す働きをしています。
鼻〜喉〜気管支とつながる器官のため、外気の影響を受けやすく、乾燥にとても弱いという特徴があります。
肺の働きが低下すると、呼吸器系に不調が現れるため、長引く咳や、酷くなると喘息のような症状が起きたりすることもあります。
乾燥からからだを守るためにも、内側から潤いを作り出す食材を毎日の食事に取り入れることが重要です。
身体を潤すといわれている秋に旬を迎える「白い食材」と、気や血の巡りをよくし、余分な熱や湿気を発散させる効果がある「辛い食材」がおすすめです。
●白い食材
ゆり根 大根 白菜 豆腐など
●辛い食材
しそ ミョウガ パクチー わさびなど

幸福感を感じる要因と言われているホルモン「セロトニン」は、日光を浴びることで生成され、夜は「メラトニン」に変化して、良質な睡眠を促す役割があります。
夏から秋へと季節がかわる時期に気持ちが沈みやすくなるのは、日照時間が減り、陽の光を浴びる時間が減る事が原因に上げられます。
メラトニンの材料となる成分は「トリプトファン」。メラトニンを生成するには必要不可欠な成分で、食品からしか摂取できない必須アミノ酸です。
体内に取り込まれたトリプトファンは、脳内で日中セロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。
不安な気持ちを落ち着かせ、良質な睡眠のサポートをしてくれる「トリプルファン」は、大豆や卵、乳製品類、アーモンド、カボチャの種などのナッツ類に多く含まれています。
「なんだか気持ちが沈みやすい」、「良い睡眠が取れていない」時には、屋外での運動と食事を意識してみて下さい。

東洋医学では心身の不調を起こす原因を大きく3つに分類して考えます。
それぞれが過度になったり、逆に不足していたりすることで、本来の身体のバランスが崩れ、健康が損なわれるという捉え方をします。
①外因
風、暑、寒、乾燥、湿気、火(熱)の6つの気候変化が人間の適応能力を超えた時に、この6つが体調を乱す原因(外邪)になります。
例えば湿気が余剰に体内に残っていると、胃腸の働きが低下し、下痢や食欲不振などがおこり、これからの時期によく起きますが、体内で潤いが不足した状態が続く(乾燥)と空咳が続くなどです。
②内因
喜ぶ、怒る、思う、憂う、悲しむ、怖がる、驚くの7つの感情が過度になると、不調の原因になることがあります。
例えば怒りが強くなりすぎると、目の充血や頭痛が起こったり、旅行の前日に嬉しすぎて眠れなくなる状態なども内因に当たります。
③不内外因
外因、内因どちらにも入らないものです。過労、暴飲暴食、運動不足などの生活習慣の乱れなどが原因となり、病気や不調になる場合です。
東洋医学的な独特の状態判断になりますが、鍼灸治療や漢方の処方の際には、問診や舌の状態・脈の強弱・腹の冷えや硬さを診て、不調の原因となっている内因や外因を探し、治療を行っています。
病院で診察を受けても「特に問題はないので様子をみましょう」で、なかなか不調が改善しない方には鍼灸治療の併用をおすすめします。
二十四節気の「大暑」を迎え、暑さもいよいよ本番です。
夏は暑さだけではなく、『冷え』により体調を崩してしまうという事もよく起こります。
一日中冷え切った部屋で仕事をしている、湯船につからず、シャワーでお風呂を済ませている、冷たい食べ物・飲み物を取り過ぎてしまっている、身体を動かす機会が減っている….など、知らず知らずのうちに体を冷している事がよくあります。
キュウリ、トマト、ナスなどの旬を迎える食材は、夏の食卓にもよく並ぶものですが、水分を多く含み、体の熱を冷ましてくれる効果があります。冷えが気になる時には、葱・生姜・ニンニクなどの体を温めてくれる香味野菜もうまく使いながら、体が冷えすぎないようにコントロールしましょう。
『夏冷え』対策に。心掛けて欲しい生活習慣
①常温のものを摂るように意識する
冷たいものの飲食が続いている時には、前後に温かいものを摂るように心掛けましょう。
②日常生活に軽い運動を取り入れる
夏は体内でエネルギーが作られる季節。冷房の効いた室内、少し気温が下がった朝夕などの時間帯をみつけて軽く汗をかく程度の運動を行いましょう。「いつもより階段を使ってみる」「電車やバスでは座らない」などでもいいと思います。
③衣類で温度差を防ぐ工夫をする
冷たい風を浴びすぎると冷えによる体調不良の原因になります。長い時間、直接肌に当たらないように服装による温度コントロールが大切です。
④ぬるめのお風呂につかる習慣をつける
シャワーだけだと体は温まりません。熱いお湯浸かると自律神経が刺激され寝つきが悪くなることがあります。40℃前後の湯船に10分程度つかると、副交感神経優位になりリラックスでき、寝つきもよくなります。
夏の疲れは次の季節の体調にも影響を及ぼします。疲れた身体のメンテナンスは忘れずに行いましょう。

東洋医学では、季節の移り変わりとともに動植物が変化を繰り返すように、人間も例外ではなく、自然に逆らわず、流れに合わせて生活をすることが体にとって負担が少ない過ごし方だと考えます。
エネルギーが満ちあふれる夏は、植物が緑鮮やかにすくすくと育つように、人の体にもエネルギーが満ち、活動的になる季節です。動く事を意識して適度に汗をかき、エネルギーを発散さることが健康に過ごすポイントになります。
ただし、最近の夏の暑さや湿気は、命の危険にさえなる異常なものなのです。冷房の効いた室内や、外出に慣れている方でも、朝夕の陽射しが弱い、気温が下がっている時間を選ぶなど、無理をしない状況をみつけてから体を動かして下さい。

五臓の「心」は強い陽気をもつ臓で、熱を持ちやすく、暑さに弱いため、夏にその働きが弱くなりやすい傾向があります。「心」が疲れてしまうと、その主な働きである全身に血をまわす力・精神や心を安定させる作用が弱まるため、
・動悸や息切れ、倦怠感が起きやすい
・深い眠りができず、よく夢をみるようになる
など、このような症状が起こりやすくなります。「心」が疲れているかもしれないな、と感じた時には体にこもる余分な熱を抑える作用のある食材を意識して摂ってみてください。
ゴーヤ
「心」の熱を鎮める作用。夏ののぼせ、ほてりにも効果的な食材です。
れんこん
からだの熱っぽさ、のどの渇きやのぼせを抑制する効果があります。
小豆
体内の熱をとる清熱作用がある。また利尿作用もあり、むくみのある方にもおすすめです
気持ちのいい季節の5月、すっかり温かくなり、日によっては暑く感じるくらいのこともあります。陽気がいいと、薄着や素足で外出しがちですが、意外と風が冷たかったり、お店の冷房が寒かったり。帰ってきたらぐったり…などという経験はありませんか?季節の代わり目によく見られる「冷え+のぼせ」の症状かもしれません。
この時期、まだ地面や日陰はつめたく、足元は冷やされます。熱は身体の上に昇る習性があり、春の温かい日差しで身体に蓄えられた熱は、上半身・頭に熱を運び、のぼせてしまうことがよくおこります。
さらに男性も女性もホルモンのアンバランス=更年期にあたる世代の方には、尚更この激しい変動はこたえるはず。更年期はそもそものぼせがおこりやすく、更年期の症状が落ち着いていても、この時期にまた強く症状があらわれる人が増える傾向にあるからです。
東洋医学では、春を「発陳(はっちん)」と呼びます。「陳」は「古い」という意味。春は古いものを発する、デトックスの時期です。冬に溜め込んでいたものが、うまく解毒できていないと、吹き出物やじんましん、そして花粉症のようなアレルギー症状など、春の体調不良として現れます。
身体を温めてくれるカイロやお灸、適度な運動を行い、血流をよくして体調を整えましょう。全身の巡りをよくする鍼灸治療もおすすめです。

慣れない環境での新生活は緊張の連続で、疲れているはずの体や心のダメージに気づきにくくなっています。
連休明けに「やる気が起きない」「だるさを感じる」人が多いのは、気づかないうちに蓄積された疲労が取れていないからかもしれません。
だるさとは、心身が疲れた時に感じる疲労感や倦怠感のこと。運動や肉体労働による筋肉的な疲労、気疲れによる精神的な疲労、運動不足や同じ姿勢が続き起きる血行不良、ストレスや不規則な生活習慣による自律神経の乱れや栄養不足など、一言でだるさといっても様々な原因があります。
だるさは体からのSOSサイン。放っておくと心身の様々な不調につながる事もあります。未病のケアを意識して新生活を始めましょう。
気持ちが疲れた時のセルフケアのツボ
ダン中(だんちゅう)
→体の正中線上(胸骨の上)、左右の乳頭を結んだ線上にあるツボ。頭の方向に向かって軽く押し上げるように押す。
神門(しんもん)
→手のひら側、手首のシワを親指側から小指側に向かってすすみ、凹みの部分にあるツボ。凹みを見つけ、軽く圧迫したら親指を左右に動かしながら押す。

※ツボの刺激は気持ちがいい位を目安にして、強く押しすぎないように注意してください。
少しずつ暖かくなってきた3月ですが、睡眠の不調に悩んでいる方がいるかもしれません。春は元々睡眠の不調が起きやすい季節です。これは肝という感情をコントロールする臓腑が活発に働く季節であるからです。
※「カンにさわる」という言葉があるように、東洋医学で「肝(かん)」はイライラする、怒りっぽくなるなどの感情の起伏と関係がある臓腑だと考えられています。
春は気温の上昇とともに、体の中で熱をつくり出す“陽気”の働きが高まります。陽気には昇りやすいという傾向があり、身体から抜けずに上部に滞ると、のぼせたり、感情が高ぶるといった状態が続きます。
中国最古の医学書といわれている「黄帝内経(こうていだいけい)」には、“春は夜更かしすることなく、朝は早く起きてゆるやかに庭を散歩するのがよい”とあります。 春は23時~3時の間に寝ていることが理想だとされています。
これは体の修復や臓腑の調整のため、また、体の各部署に必要な血液を蓄え、感情・思考などの活動にも大切な“血(けつ)”を蓄える、“肝(かん)”が活発に働くのが午前1~3時で、肝の働きを助ける“胆(たん)”が活発に働くのが、23~1時だからです。 休みの前に「寝だめ」をしても、平日の睡眠時間が4~5時間で、23時~3時の間に少ししか寝れていなければ、身体を休める睡眠にはなっていません。季節によって太陽の昇る時間・沈む時間は違うので、体もその太陽のリズムに近づける事が身体のリラックスにつながるというのが東洋医学の考え方です。
睡眠のリズムが崩れてしまった次の日は、昨日よりも10分早めの就寝を合言葉に、早寝早起きを意識してみましょう。
