雨露も霜に変わる季節、11月。まだ暖かい日もありますが、今月はもう立冬。立冬の頃に吹く、木枯らしとともに本格的な冬が始まります。
人の身体は体温を外に逃さないようにするために、寒くなると皮膚の血管を収縮させ、引き締めようとします。普段から体温が低かったり、手足が冷えやすい傾向がある方は、冬になるとさらに不調を感じているかもしれません。
寒さでカラダが縮こまるようになると静脈に存在する血液の停滞が起こります。静脈は筋肉が伸び縮みする運動によって血液が流れます。ふくらはぎなどの足の筋肉の動きが少なくなると、抹消の血液を上半身に返すポンプの働きが少なくなり、足に血液が滞り、冷えが強くなることがあります。

血流の滞りは、血液の再生や老廃物の排出を鈍らせ、内臓全体の働きを低下させたり、自律神経を乱し、不定愁訴の原因になることもあります。冷えが毎年つらい方は、日頃から足の筋肉を積極的に動かす事を意識しましょう。血流の滞りを改善させる鍼灸治療もおすすめです。

秋から冬にかけて現れやすいといわれている季節性のうつ病。秋から冬にかけて現れ、3月ごろになると良くなるというパターンを繰り返します。最近、こんな症状はでていませんか?
●睡眠時間が長くなり、日中でも眠気がある
●甘いもの・炭水化物がよく欲しくなる
●気分が落ち込みやすい
●集中力が低下することが多くなっている
季節性うつ病の原因は、日照時間が減少することにより脳内のセロトニンの合成速度が落ちて、セロトニン神経機能が低下することで発症しやすくなります。
セロトニンの不足は脳の働きに不調をもたらします。セロトニン生成に必要なタンパク質が含まれている肉、魚、大豆やビタミン、ミネラルなどの栄養素を摂取するようにしましょう。
屋外での適度な運動を習慣化することも有効な対策です。太陽の光にはセロトニンの合成を促進する効果があります。過ごしやすい気候になってきたので、屋外での運動がおすすめです。
まとわりつくような湿気が少しずつ薄れ、朝晩は特に空気の乾燥を感じるようになってきました。
秋は肌や髪、口が渇きやすくなるだけでなく、乾いた空気が体内に入り込み「肺」にダメージを与えるため、咳・痰などの呼吸器系の症状が起こりやすくなります。
東洋医学では、秋に起こりやすい肌の乾燥、咳などのトラブルは、乾燥した空気の「燥邪(そうじゃ)」によるものだと考えます。
呼吸によって燥邪も一緒にとり込んでしまうため、「肺」が最も影響を受けてしまいます。「肺」が乾燥し、熱を溜め込んでしまうと、咳や痰だけではなく、喘息などの症状を誘発します。
「肺」のトラブルが起こりやすい秋には、「肺」を潤す効果がある旬の味覚がおすすめです。
●果物→梨
●野菜→レンコン、サツマイモ、山芋、ゆり根など。
寒くなる冬を迎える前に「肺」に潤いを与えてくれる食材と、自律神経を整える鍼灸治療で免疫力をアップさせておきましょう。

夏は、春先に咲いた花に実がなるように、万物にエネルギーがみなぎる、生物が最も成長する時期です。
新陳代謝が盛んになるため、子供はより大きく成長し、成長が止まっている大人の身体でも新陳代謝が高まり、身体の中に熱がこもりやすくなるという変化が起きています。
身体にこもった熱は、汗をかき、発散して調節ができますが、最近の暑さでは、外出や運動を避ける事が多くなり、身体の中の余分な熱を発散できていない事があります。のぼせ・めまいなどの症状が起きやすいのは、熱の発散がうまくいっておらず、その熱が頭の方に上っている事が原因かもしれません。
気(エネルギー)、血(栄養)、水(体液)が、滞りなくまわっていることが、東洋医学では健康の条件とされています。夏の疲れ、身体の不調を感じている方は、滞りを解消し、巡りをよくする鍼灸治療がおすすめです。

夏は暑さだけではなく、体力を奪われるような湿気も強いため、「だるさ」「気力の消失」「食欲低下」など、いわゆる夏バテで悩まれる方が多く見られます。夏バテが起きると、働きが悪くなりやすい臓腑の一つに、胃腸があげられます。これはクーラーや食べ物で身体が冷やされ過ぎている事が原因となります。
現在の胃腸の調子を知る事ができる舌診(ぜっしん)という方法があります。舌の形を調べたり、表面に付いている舌苔(ぜったい)の状態を観察するものです。いつもの自分の舌をなんとなくでも、記憶している事がポイントになります。
●舌の側面に歯型がついている
身体にエネルギーが足りていない状態(気虚)。身体の水分が停滞気味で、舌が肥大を起こしており、身体には浮腫み・疲れやすさの症状でているかもしれません。
●舌の表面の苔の状態
胃腸の状態を反映するもので、薄く白色をしているのが、通常の舌苔の状態。
①苔が黄色で厚い
消化しきれない食べ物や飲み物が胃腸に滞り、蓄積している状態(食積(しょくせき))か、胃腸で発生した水分や熱が滞って蓄積している状態(湿熱(しつねつ))が考えられます。
②苔は白色だが、厚みのある濃い白
浮腫など身体に液体の代謝の問題が起こっていることが考えられます。
鍼灸治療は筋肉が原因となる痛みのトラブルだけではなく、環境から起きる身体の不調の治療も行います。夏バテでお悩みの方は鍼灸治療をお試し下さい。

脳は自律神経を介して、筋肉や内臓の働きを管理している大切な司令塔で、生命活動を維持するため、常に働き続けている器官です。
その脳に過度なストレスがかかり続けると、オーバーヒートを起こし、身体の不調の原因になることがあるそうです。
脳が発熱し、疲れやすくなる原因は大きく分けて2つあり、丁度いまの時期のような、急な気温の変化(体温調整をするために自律神経が酷使される)によるもの、疲労による身体的ストレスが考えられます。
脳の情報処理が増し、働きが鈍ると、体温・心拍・呼吸・血圧の調整に乱れが生じ、臓器の働きにも影響があらわれ、頭痛や発熱だけでなく、だるさ・めまいなどの体調不良があらわれることがあります。
脳のオーバーヒートを予防するために、自律神経に負荷をかけすぎない生活習慣を作る事が大切です。
身体を動かす事も大切な要素です。運動不足を感じている方は軽いストレッチや心臓に負荷がかからない程度の筋トレにして、自律神経を刺激し過ぎない事がポイントになるようです。
運動前に「疲れるからやりたくないな‥」と気持ちが前向きにならない運動量だと、自律神経を整える為のものとしては適切ではないかもしれません。
身体の疲れをため込まない事も脳の疲労を防ぐ方法です。鍼灸治療には自律神経のバランスを整える効果もあります。暑くなるこの季節、体調不良を感じる方は、適度な運動と身体のメンテナンスをお試し下さい。

適度な水分はからだを潤わせ、健康を維持するために必要なものですが、余分な水分は体に溜まり、様々な体調不良の原因になると考えられています。
余分な水分が溜まる原因と言えば水分の取り過ぎを考えますが、外からの影響もその原因になります。東洋医学では過剰な湿気を「湿邪」と呼び、体内に必要以上な水分を増やし、あちこちに溜まると、むくみや頭痛、めまい、食欲不振など、様々な症状を引き起こす原因と言われています。
さらに過剰な湿気は胃腸を弱らせるとも考えており、胃腸(脾胃)は乾燥を好み、湿気を嫌う性質があるため、湿度の高い梅雨や夏に、食欲不振や消化不良が多く、乾燥する秋には食欲の秋と言われるほど食欲が増し、消化が良くなってきます。
大切なことは、水の巡りを整え、余分な水分は外に出すことです。水を外に出す働きのある食べ物を取り入れ、滞りの少ない体を目指しましょう。

体内の水の巡りを良くしてくれる効果がある食材です。蒸し暑くなる梅雨以降によく食べている食材ではありませんか?
●黒豆・ハト麦などの豆類
●きゅうり、ゴーヤなどの瓜類
●昆布、わかめなどの海藻類
春は気持ちが不安定になりやすい季節です。
気温や環境の変化が大きく、この変化がストレスとなり、自律神経を乱しやすくします。
イライラしたり、怒りっぽかったり。自分の感情がうまくコントロールできない症状は、体がストレスを受けているサインです。
東洋医学では、春は五臓のうち「肝(かん)」の働きが強くなり過ぎてしまい、疲弊しやすい時期であると考えられています。
イライラ、怒りっぽいなどの症状が起きやすいのは、「肝」の自律神経調整機能がうまくいかず「気」が滞り、興奮して頭に血がのぼっている為です。
春を快適に過ごすために、「肝」の働きを助ける春に旬を迎える苦みのある食材を積極的にとりましょう。体内に溜め込まれた余分なものを排出する効能があります。熱を冷ましたり、水分を外に排出するため、便秘を解消してくれる効果も期待できます。

鼻水や鼻づまり、目の痒み。今年も花粉症に悩まされる時期になりました。東洋医学では花粉症を、
・身体にこもった熱が炎症を悪化させる
・滞った水分が溢れ出している
という状態にあると考え、
①頭や顔のツボへの鍼灸
②頚肩周りのコリをほぐし、熱や滞っている水分を流す
③熱の原因となる胃腸を整える
このような治療を行っています。
食事で花粉症が改善されるケースがあるようですが、これは腸内環境が整えられる事でみられる反応のようで、鍼灸治療でも胃腸の調子を整える事、体質を改善していく事を目的としています。
慢性的な首肩こりや腰痛などの治療にあわせて、花粉症の治療も行っています。お試し下さい。
