カテゴリ: 鍼灸関連

講演会での学び「不妊治療 女性不妊症に対する鍼灸治療のエビデンスと鍼灸あん摩マッサージ指圧師の役割」に行ってきました

令和六年度第五回東京都委託施術者講習会に参加してきました。

今回は不妊治療について。小井戸善彦先生です。情報量が多く、大変勉強になりました。配布資料が131ページ。ページ数が多いのでセミナー参加者には事前にPDFで送られていました。

EDO鍼灸治療院では不妊治療を全面に出しているわけではないですが、不妊治療をご希望されている方々はいます。話しているうちに、実は不妊治療に通っているとお話になる方が多いです。

自律神経の乱れは不妊の理由のひとつと言われています。鍼灸治療は自律神経を整えるのは得意です。鍼やお灸の刺激は脳に伝わり、自律神経やホルモン、体のバランスを整える機能に指令を出します。リラックス効果だけでなく、全身が活性化して臓器の血流にも影響を及ぼします。

セミナーでは不妊治療のことだけではなく、鍼灸業界のこと、海外の鍼灸事情など、話題が多岐に渡っていました。

日本では鍼灸受療率が4〜5%です。実はアメリカの方が中国や日本よりも鍼灸が盛んです。特にカリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州では認知度、受診率が高いです。しかもアメリカでの鍼灸師の平均年収は日本の2倍ほどです。NHKの番組で東洋医学が取り上げられるようになって久しいのでご存じの方も多いと思いますが、米軍で効率的な耳鍼方法を開発したほどです。良いと思うと研究して取り入れる所はアメリカの長所だと思います。

フランスでも鍼灸治療は行われており、ひょっとしたらフランスの方が日本よりも需要があるのかもと思うことがあります。EDO鍼灸治療院にいらしているフランス人の方で乳癌を患い、ホルモン治療の副作用緩和のために鍼灸治療を受けている方がいます。その方はフランスのドクターから鍼灸治療を薦められたそうです。

数年前にフランス人の方がパリでは鍼灸が人気なんだと話していました。もちろん、フランス人皆が鍼に行っているわけではありません。ただ、私がフランスにいた20年前、すでにフランス人の友達3人が鍼に通っていました。当時は私は鍼灸師ではありませんでしたが、鍼灸を取り入れる友人たちの存在に驚きと同時に刺激をもらいました。

講習に参加すると色々な事を考えるきっかけにもなって面白いです。実技もあったので参考になりました。棒灸も使っていらっしました。私も棒灸は使いますが匂いが強いので遠慮します。「やっぱり使うよね」と嬉しく思いました。

鍼灸症例報告:うなじ(後頭下筋)のこり

30代 性別

首が凝っている特にうなじ部分、目の奥がず~んと重い、ふわふわするめまい

 

 お困りの症状】

・1か月前から首のコリが強い

・目の奥が重く目を開けるのがつらい

・頭がふわふわする感じのめまい、歩くなど体を動かしたときに感じる

  

 お身体の状態と見立て】

・うなじ部、首横を押すと、痛みがある

・首を後ろに倒すと頭がふわふわする

・首を後ろ、横に倒す動きがよくない

・猫背つよい

首の動作、首の圧痛部位、触診による筋肉の硬さから、後頭部(うなじ)にある、後頭下筋のこわばりにより、首の凝り感、目の疲れ、めまいが出ていると考えられる。
うなじ部の筋肉のコリは、頭部の血流、神経に影響し症状に関係があり、目耳鼻の症状、頭痛、寝つきの悪さなどを引き起こす。
首の筋緊張は、姿勢の悪さ、目の影響、ストレスなどの要因が関わっている。

 

 鍼灸施術と経過 

・全身の状態を整えるために、手足、お腹のツボに鍼

・首、特にうなじ部の筋の硬結(凝っている部位)を丹念に探り、鍼、目の奥にず~んとした響きあり

・噛みしめによる、側頭部、あごにも筋の硬さがあるため、鍼。あごを緩めると首肩の緊張が抜けることが多い

一回目の施術後は、首が軽くなり目が開けやすくなったとの感想。

・症状の原因となっていると思われる首肩の筋緊張を緩める

・首肩の緊張を作っている姿勢改善を目標とした、肩甲骨周り、体幹部の施術

・目の体操、肩甲骨周りのエクサイズ、姿勢のアドバイスを行う

週に1ペースで施術をすすめ、6回目の施術時には

 

 担当よりコメント 

首の筋緊張(コリ)は頭部の症状と関りがあります。首の筋肉の緊張を緩めると頭部の症状の改善が見込めます。また首は、胸椎・腰椎・筋肉を介して肩甲骨につながっているため体幹部・肩甲骨周りの筋にもアプローチが必要と考えて施術を行っています。


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伸びているら痛い?縮んでいるから痛い?

鍼治療に色々、やり方や流派みたいなものがあります。

私は、解剖的、機能的に身体の状態をまずチェックします。

そのひとつの方法として、身体を動かしてもらい、動きを観察し問題のある筋肉・関節を鑑別していきます。

動きおチェックする事で、必ずしも患者さんが痛いというところに問題がなく、他の部位に問題があることが分かってきます。

例)左側に首を傾けると、左首が痛い患者様

↓このあたり

 

動きをみると、左に首が倒れません。また倒した時に痛みが出ます。

この時、右側の首の筋肉が縮んで伸び辛くなっており、左側に痛みがでていると考えられます。
なので、右側首に鍼をすると、左側の痛みがなくなることがあります。

このケースですと、右側の筋肉は左側が縮まることによって、伸ばされるストレスがかかり痛みが出ています。右首をストレッチするとより痛みがひどくなるパターンが多いです。右左どちらが縮んでいるか鑑別が重要です!

筋肉を押すと硬い・痛みがある=筋肉が縮まっているではないことを覚えておいてください。

むやみにストレッチする患者さんがいますが、痛みを長引かせていることもあります。

もちろんストレッチした方が良い部位もあります。その辺りも施術時にお伝えしております。

肩こり予防、腰痛予防などの、エクササイズ分からない場合は聞いてくださいね。その方の身体の状態により違いますので。

西村

関連リンク

首を横に倒すと痛い

デスクワーカーの首肩の痛み

 

意外だった患者様

カスタマーハラスメントについて頻繁に耳にする世の中です。
昔勤めていた鍼灸整骨院でクレーマーがいました。それも、プロです。賠償金を貰うためにクレームをつける人だったということです。

その方は「お灸をされてその跡が火傷になった。どうしてくれる!」という内容を電話で言ってこられました。私がお灸施術をしたわけではなかったのですが、訴訟にまで発展しました。当時勤めていた鍼灸院の院長は夜も眠れない程のストレスで大変だったのを覚えています。
弁護士もついてやり取りをしていました。結果、その方は他の鍼灸院や整骨院でも文句を付けて賠償金を貰うのが目的の詐欺師だったことが分かりました。最終的に院長が勝ちました。

上記のようなお方は珍しいと思いますが、そういう人が存在するという事を知りました。

鍼灸院等では、施術後のお身体の変化に関する問合せはたまにあります。
例えば、「五十肩で鍼の後に痛みが移動した。」五十肩の場合は施術後に可動域が変化して元々痛かった箇所が痛くなくなり、痛みの箇所が少し変わることは起こりえます。

最初に書いたお灸詐欺師の方は実は火傷ではなかったのですが、「お灸の跡が残った」は今までに言われた事はありません。自分でお灸をして火傷をしたという方が多いです。かなりいるので、それだけお灸が普及しているとも言えますね。
四国や関西の出身の方で、「お灸は火傷が残るもので、それが当然だと思っていた」と仰る方がいます。現代ではお灸で火傷をしたとしても、治るぐらいの程度だと思います。昔はお灸痕が付くぐらいでした。ただし、直接皮膚にお灸をする場合は火傷がないとは言い切れません。

(以前、お灸についてEDOブログで書いたことがあるのでそのリンクを貼っておきます。
お灸の紹介 投稿日 2019/11/14。)

 

鍼の内出血の事をお話になる方もいます。

内出血は体質によってはできやすい方がいます。同じように施術をしてもその日のお体の状態によってできる場合もあります。
内出血は自然に消えるので心配は入りませんが、できて嬉しいものではありません。内出血の場所を温めると吸収が早くなって早く治ります。

不安や疑問があれば担当までお問い合わせください。

中国針の税関手続き

EDO鍼灸治療院では一部、中国から送ってもらった中国針を使用しています。中国の針は日本の針とは形状が違います。中国針の方が良いと判断した方々に使用しているので、全ての方に使っているわけではありません。日本で手に入る中国針だと針先が痛く、治療に使うのにベストではないのでこれなら大丈夫というものを中国の信頼の置ける所に頼んで送ってもらっています。

今回は二箱に分けて送ってくれた所、一箱はスムーズに届いたのですが、もう一箱が税関に留め置かれました。針は医療機器扱いなので、大量だとたまに税関に引っかかります。

中国針を輸入する理由、必要性、緊急性、日本で手に入るものを使えない理由、これだけの数量が必要な理由、鍼灸師の責任、鍼師の免許、などなど書類の提出が求められます。
それぞれ理由があるのでそのまま嘘偽りなく記載します。

前にも一度税関に引っかかった事がありますが、その頃はFAXで書類をやり取りしていたので、書類を送るシステム自体は今の方が格段に便利になりました。現在では専用のインターネットサイトを通して申請します。インボイスの書き方がダメだというので、中国側にお願いして送り直してもらい、留め置かれてる東京税関に保留国際郵便物事前内容点検願書を作成してもらいました。訂正を繰り返し、やっと到着しました。

インボイス制度が変わったので少々時間がかかりました。中国から送ってくれた方が中国やベトナムにクリニックを持っていて、忙しく飛び回っているお方です。それで遅れたのもあります。

手続きが終わってみるとあっけないですが、書類が差戻しになり、休日の日もメールが来たり、個人的な携帯番号にも電話がかかってきました。なるようにしかならないことですが、ストレスになっていました。何も悪いことはしていないので、手続きを踏むだけのことです。認可を待つのみですが、あまりに長い時間かかり、もう届かないのでは…と最悪の場合を覚悟したり。

 

流通、貿易関係の方々がぼやいていた気持ちが少しだけ分かりました。海外とのやりとりは時間もかかりますし、必要書類のやり取りが国を隔てると時間がかかります。何はともあれ良かったです。

※参考

苏州医疗用品厂有限公司
北京中研太和

上記は中国針のメーカーサイトです。

鍼灸症例報告:後頭下筋と眼精疲労

50代 性別男性

目の奥に疲れを強く感じる。首のコリ感が強い。寝つきが悪い

目次

 お困りの症状】

 お身体の状態と見立て】

 鍼灸施術方法と経過 

 担当よりコメント 

 

 お困りの症状】

・40代後半から眼精疲労が強く感じるようになった。目の奥や周りに疲労感

・首も常に凝り感あり、首が回りづらい

・寝つきが40代後半からよくない

  

 お身体の状態と見立て】

・首を左回旋制限有り(左に首を回しづらい)左側屈 伸展制限もある

・首の触診をすると、斜角筋、後頭下筋(うなじ)にこわばりと圧痛(押すと痛み)が認められる

・肩甲骨の動作制限もあり、とくに右肩甲骨を後ろに引く動作に制限有

後頭下筋の緊張により、眼精疲労の原因の一つと考えられる。眼精疲労と首肩のコリは同時に起きていることが多い。目の使い過ぎ→首の筋肉の緊張・凝り感になるケースが多いようです。

また寝つきの悪さや、中途覚醒のある方は、首の筋のこわばりが強いことがほとんどで、首コリがある方は自律神経に影響し眠りに影響していると考えられる。

 鍼灸施術と経過 

・肩甲骨周りの筋緊張部位に刺鍼(運動鍼など)+手技(あん摩・導引)

・後頭下筋、斜角筋、肩甲挙筋などに刺鍼+手技(あん摩・導引)

肩甲骨・胸椎・頚椎につく筋緊張を取り、動きが正常に近づくように施術。

週一ペースで施術を行った。施術後は目が開きやすくなり、視界が明るく感じるとの事。
施術毎に首のコリ感、眼精疲労は軽減しているとの事。寝つきは以前よりも良い。
5回目の施術時には、首の動作も初回より改善し、触診による筋緊張も10→3くらいに減少。

後頭下筋に鍼をすると、目の奥にず~と響きを感じることが多いです。鍼を刺すといつも痛みやコリを感じている部位に響きを感じることがあります。そこが痛みの原因となる筋緊張部位であり治療ポイントでもあります。

 担当よりコメント 

後頭下筋は、眼球の動きと連動して収縮しています。PC作業など目を細かく動かす作業は後頭下筋の疲労を起こします。

眼精疲労、首コリ軽減には

・眼球を大きく動かす目の体操

・たまに遠くを見るようにする

・猫背で長時間、PC・スマホ・本などを見ない


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5/19日曜日にNHKにて鍼灸の番組が放送されます

5月になってきて、暖かい日いを通り越して暑い日も増えて参りました。季節の移り変わりが早いように感じます。梅雨前の爽やかな晴れ間を満喫しましょう。

さて、5/19日曜日午後9時~9時50分にNHKスペシャルにて

東洋医学を“科学”する 〜鍼灸(しんきゅう)・漢方薬の新たな世界〜

とタイトルで鍼灸に関するる内容の番組が放送されます。

東洋医学では、どんな症状でも体全体の状態をみて施術を行います。

例えば、頭痛の時にも、お腹の状態や脈を診て施術方針を立てていき、頭首肩周りだけではなく、足や手のツボを使い全身のバランスを整えていきます。

西洋医学の世界でも注目されている鍼灸・漢方。是非皆さまご覧ください。そして鍼灸・漢方をご体験ください。

鍼灸が皆様の日ごろのお身体のケアにご利用いただけることが私たちの夢の一つです。

東洋医学を“科学”する 〜鍼灸(しんきゅう)・漢方薬の新たな世界〜

5/19日21:00~放送です。

5月23日(木) 午前0:35〜午前1:25にも再放送されます。
お見逃しなく!

 

鍼灸治療を受けに来る外国人 part 2

前にEDOブログでフランス人の患者さんについて書いたことがあります。

鍼灸治療を受けに来る外国人(2019/08/15)

2019年なのでもう5年前です。前回ブログで書いた後にも様々な動機でフランス人の方々が鍼灸治療にいらしています。フランス人の患者様の来院時の主訴を並べてみます。(一部)

症状

  • 乳がん治療後のホルモン療法の副作用の症状を和らげたい
  • 過敏性腸症候群
  • 副鼻腔炎
  • 耳鳴り
  • うつ病
  • 胃食道逆流症に伴う不快感を和らげたい
  • 坐骨神経痛
  • 更年期の不具合を和らげたい
  • 腱鞘炎
  • 膝痛
  • 腰痛
  • 疲労
  • 事故による怪我のアフターケア
  • 頭痛
  • 肩こり

フランス人の方々は鍼灸院に来る目的がはっきりしている方が多いです。具体的な病名を挙げられます。日本人では肩こり・腰痛などの不定愁訴で鍼に来る方が多数派ですが、逆転しています。

ちなみに、EDOに来院するフランス人の方々に乳がん経験者が多く、乳房再建などに伴う不具合で頭痛や首肩の痛みに発展している方々を多く拝見しました。がんのホルモン療法の副作用を緩和したいという目的で来院した方はフランスで医師に鍼灸治療を薦められたそうです。

 

鍼灸院に行こうと思った動機

  • 知人から鍼灸を薦められた
  • 病院に行っても改善がないので自分で治療方法を探した
  • EDOに来ている患者様の紹介
  • 薬で治すよりも自然な治療方法を求めている
  • フランスでも鍼に行っていて、日本でも鍼灸院に行きたかった

必ずしも鍼灸が好きで来院するわけではなく、鍼に対する恐怖心を持ちながら来院している方も結構いらっしゃいます。EDO鍼灸治療院に来られるフランス人の方々は日本で仕事をしている人がほとんどです。日本語ができない方が大半ですが、中には日本語がかなり堪能な方々もいます。日本語ができても医療機関を受診するとなると緊張したり、うまく説明ができないかもと不安を感じるということです。

外国で暮らしながら健康に不安を抱えること自体ストレスだと思います。私自身、外国人としてフランスに住んでいたことがあります。当時、とてもお世話になった主治医がいました。医師としてというより、どちらかというと精神的に頼れる存在でした。

EDOに来ている方々も、話すだけで精神的にリラックスしている人も多いです。必要な場合は医療機関を紹介することもできます。元気に日本生活を送るお手伝いができれば心から嬉しく思います。

症例報告:首前側のコリ・顔のむくみ

30代 性別男性

最近試験勉強をしており、首前側の凝り感がきになる。それに伴い顔のむくみが出ている

目次

 お困りの症状】

 お身体の状態と見立て】

 鍼灸施術方法と経過 

 担当よりコメント 

 

 お困りの症状】

・首前側のこり

・顔のむくみ

・寝つきの悪さ

  

 お身体の状態と見立て】

・首の動きをみると、後ろに倒すときに制限がある

・首前の筋、斜角筋、胸鎖乳突筋に筋緊張あり

・うなじ部、後頭下筋にこわばりあり、あご周りの筋緊張も目立つ

試験勉強の際に、タブレットを使用しており、首が下向きの姿勢を続けているために首の前側の筋の緊張が取れなくなっているものと思われる。顔のむくみは首前側の筋緊張によりリンパの流れが滞っていると考えられる。

 

 鍼灸施術と経過 

首前側の緊張を取るだけでは一時的に緊張は緩むが、またすぐに戻ってしまう。根本的に改善していく上には、首が前に来る癖・猫背にアプローチしていく必要がある。

猫背の原因となっている、胸・上腹部・うなじ部の緊張を緩めていき、背筋が伸びやすい状態を作っていことが根本な症状の改善となる。

1週間に1度のペースで施術を行い、姿勢のクセをただすためのエクササイズをアドバイスしました。

症状は施術ごとに緩和し、普段の生活ではあまり気にならなくなってきたとのこと、首の可動域も増え。猫背姿勢も以前より目立たなくなる。顔もすっきりした印象。

 

 担当よりコメント 

首前側の筋は、パソコン・スマホ・タブレットなどの画面を見る際、顔を前に突き出した姿勢を取り続けると緊張が取れなくなってきます。
下向き・猫背姿勢に気づいたら、背筋を伸ばし姿勢を正しましょう!

 

八重洲・日本橋のEDO鍼灸治療院

関連ページ

首の前側のコリ


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講習会での学び「精神科領域の鍼灸治療の最前線」に行ってきました

令和5年度第4回東京都委託施術者講習会「精神科領域の鍼灸治療の最前線―医鍼連携のネットワーク構築を目指してー」に参加してきました。講習会が行われたのは2023年10月29日です。非常に有意義な講習会でした。

昨年11月に「ほうれい線は原因から治す 美容鍼セミナー」に行ったことをこのブログで書きました。「東京都はりきゅうあん摩マッサージ指圧師会(通称都師会)」が東京都委託事業として開催している講習会です。無料とは思えない中身の濃い講習会で定評があります。

今回の講師は松浦悠人先生。東京有明医療大学でうつ病の臨床研究をされています。科学的エビデンスに基づいた最新情報も盛り込みながらわかりやすく説明してくださいました。NHKの「東洋医学ホントのチカラ」でパニック障害などのメンタルヘルスに対しての鍼灸治療について出演された先生でもあります。

講習会で学んできたものを抜粋でまとめます。

 

生涯にうつ病になる人の割合がどのくらいかご存知でしょうか。5.7 %(20人に1人)です。うつ病になった人が医療機関を受診した割合は30.3 %だそうです。少ないですね。まだ精神科に対する偏見があるのかもしれません。

うつ病とは – うつ気分、うつ状態、うつ病は違う

〇うつ気分→憂うつだったり、気分が落ち込んだり、だれでもなります。
〇うつ状態→抑うつ状態が強く、うつ状態の原因が明らかなことが多いです。仕事、家庭、人間関係のストレスなど。でもうつ病ではありません。うつ状態とうつ病は違います。
〇うつ病→うつ状態の原因は問わない。抑うつエピソード、DSM-5の基準に則って診断します。DSM-5とは米国精神医学会の精神疾患分類で「精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」の頭文字をとったもの。DSM-5の5は第5版です。

★うつ病の臨床症状

初期症状 → → → 重度
空虚感 抑うつ気分 絶望感
楽しくない 興味の消失 喜びの消失
おっくう 食欲減退 体重減少
中途覚醒 不眠 夜が怖い
疲れが抜けない 疲労感 動けない
自分はダメだ 罪責感 罪業妄想
ミスが増える 集中力低下 思考停止・焦燥
楽になりたい 希死念慮 計画・行動

鍼灸師はうつ病の診断が目的ではありませんが、うつ病を疑う特徴を知っておくことも大事だと思います。

うつ病の標準治療 – 薬物療法

薬物療法がうつ病のメジャーな治療法ですが、アメリカの研究では最初の抗うつ薬によって寛解が得られる患者は全体の3分の1程度。抗うつ薬治療の継続率は3ヶ月後には50%、6ヶ月後には30〜40%に低下してしまいます。

抗うつ薬 気分をよくする
抗精神病薬 興奮を抑える
気分安定薬 気分を安定させる
抗不安薬 不安をとる
睡眠薬 眠りをよくする

うつ病になる仕組み

うつ病の患者さんはたくさん症状を訴えます。頭痛、肩こり、腰痛、便秘、下痢、など。多愁訴には鍼灸治療で対処することができます。うつ病の患者さんはなぜ沢山の症状を訴えるのでしょうか?

身体がストレスに晒されるとまずSAM系自律神経の経路が働きます。免疫システムに働きかけて炎症を促進する反応が出ます。炎症が促進されると脳内のモノアミンという物質が出ます。モノアミンとはセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン等の気分に関わる神経伝達物質です。モノアミンが減ると気分の状態が悪くなります。
そこで働くのがHPA系(ホルモン系)です。HPA系が働くと副腎皮質からコルチゾールが出て炎症がなくなります。健常な場合は自律神経とホルモン系がバランスを取り合って炎症を調節してくれます。
ところが、これが持続的な慢性ストレスになってしまうとホルモン系が働き続けて副腎皮質が疲れてしまいます(副腎疲労)。炎症抑制反応が起きず、炎症反応だけが残ってしまいます。うつ病とは「脳の慢性炎症の状態」なのです。
下の図は講習会の資料を基に作成したものです。

 

モノアミン仮説

〇ドーパミン 快感・欲動 →「楽しみの喪失」
〇ノルアドレナリン 覚醒・集中・意欲 →「意欲低下」
〇セロトニン 情動・睡眠 →「緊張・焦燥」

ホルモンがお互いに作用しあっています

うつ病は脳の病気です。脳の慢性炎症を起こして、「中枢性感作」という状態になっています。中枢神経の感受性が変化した状態になっていて、脳のちょっとしたことで症状が出てしまう状態です。
脳が過敏になって脳の閾値が下がってしまうと、普段は抑えられていた身体の症状が表に出てきます。中枢性感作の方は精神的苦痛を身体的症状に転換してしまうsomatizationという状態が起こります。この状態になると気分だけではなく身体の症状を訴えます。

うつ病の鍼灸医療の考え方

松浦先生の考え方ですが、おそらくスタンダードな考え方だとおもいます。

  1.  中枢の機能異常の改善
  2.  身体症状の改善(身体からのアプローチ)

1.中枢機能改善のために行う施術
・身体の脳機能を改善させるツボの使用。
・頭皮鍼通電 頭部のツボ 百会 神庭 印堂 → 三叉神経の刺激が目的

三叉神経、顔面神経、頚神経を刺激して脳血流を改善

これらはうつ病だけではなく、線維筋痛症などにも応用できます。

2.身体症状の改善
これに関しては従来の鍼灸治療で対処できます。筋肉、骨格系、神経系に対しては現代医学的な経穴処方、自律神経系、内科系に対しては東洋医学的鍼灸治療の基本に則って治療します。

胸腹診、背中の反応を診ます。これに関してはブログでは省略。ここが一番ミソだったりするのですが情報量が多く、専門的なので臨床に活かします。

「足三里」のツボについて

足三里という有名なツボがありますが、足三里は世界で初めて解剖学的に効果が証明されたツボです。足三里には抗炎症作用があることが分かっています。うつ病は脳の慢性炎症なので抗炎症作用のある足三里が良いと言われています。
胃腸に効かせたい時は浅刺しでいいのですが、足三里の筋膜の奥に迷走神経を賦活させる神経があることが分かっています。最近は世界でも足三里の通電がよく行われています。抗炎症作用を狙うときは骨膜付近に深刺しをして鍼通電します。同じ足三里でも目的によって刺激方法が変わります。抗炎症を目的にする場合は低強度、微弱な電気で良いとのことです。

鍼灸と精神医療の連携について

鍼灸師と精神科をつなぐネットワークについてのお話もありました。精神医療の学びの場、情報の共有、症例検討などすでにオンラインの勉強会があります。将来はさらに連携強化をしていきたいという目的をお持ちでした。精神科医と鍼灸師をつなぐネットワークのメルマガの紹介もあったので私も早速登録しました。
鍼灸院に来院する方の10 %は精神科・心療内科へ通院しているようです。実際はもっと多いかもしれません。将来的に精神分野を学ぶ場、鍼灸院のリスト、医療連携があると臨床でも役立つと思います。

講習会に参加して

うつ病の方は結構来院されています。自分からうつ病だと言う場合なので、言わない方を含めるともっと多いのだと思います。少しでも知識のアップデートをしたいのと、臨床の役に立てば良いと思って講習会に参加しました。今回の講習会はうつ病だけではなく、不眠や慢性疼痛、他疾患の方にも応用できる内容でした。早速臨床に取り入れています。実技では腹診や背中の診方、鍼通電の方法やコツもとても丁寧に教えてくださいました。
うつ病は誰でもなり得る病気です。疲労やストレスは溜めないに越した事はありませんが、投薬と鍼灸治療を併用した方が併用しないグループよりも予後が良いことも分かっています。鍼灸治療という選択肢がもっと世に知られて欲しいと思います。

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