前にEDOブログでフランス人の患者さんについて書いたことがあります。
鍼灸治療を受けに来る外国人(2019/08/15)
2019年なのでもう5年前です。前回ブログで書いた後にも様々な動機でフランス人の方々が鍼灸治療にいらしています。フランス人の患者様の来院時の主訴を並べてみます。(一部)
症状
- 乳がん治療後のホルモン療法の副作用の症状を和らげたい
- 過敏性腸症候群
- 副鼻腔炎
- 痔
- 耳鳴り
- うつ病
- 胃食道逆流症に伴う不快感を和らげたい
- 坐骨神経痛
- 更年期の不具合を和らげたい
- 腱鞘炎
- 膝痛
- 腰痛
- 疲労
- 事故による怪我のアフターケア
- 頭痛
- 肩こり
フランス人の方々は鍼灸院に来る目的がはっきりしている方が多いです。具体的な病名を挙げられます。日本人では肩こり・腰痛などの不定愁訴で鍼に来る方が多数派ですが、逆転しています。
ちなみに、EDOに来院するフランス人の方々に乳がん経験者が多く、乳房再建などに伴う不具合で頭痛や首肩の痛みに発展している方々を多く拝見しました。がんのホルモン療法の副作用を緩和したいという目的で来院した方はフランスで医師に鍼灸治療を薦められたそうです。
鍼灸院に行こうと思った動機
- 知人から鍼灸を薦められた
- 病院に行っても改善がないので自分で治療方法を探した
- EDOに来ている患者様の紹介
- 薬で治すよりも自然な治療方法を求めている
- フランスでも鍼に行っていて、日本でも鍼灸院に行きたかった
必ずしも鍼灸が好きで来院するわけではなく、鍼に対する恐怖心を持ちながら来院している方も結構いらっしゃいます。EDO鍼灸治療院に来られるフランス人の方々は日本で仕事をしている人がほとんどです。日本語ができない方が大半ですが、中には日本語がかなり堪能な方々もいます。日本語ができても医療機関を受診するとなると緊張したり、うまく説明ができないかもと不安を感じるということです。
外国で暮らしながら健康に不安を抱えること自体ストレスだと思います。私自身、外国人としてフランスに住んでいたことがあります。当時、とてもお世話になった主治医がいました。医師としてというより、どちらかというと精神的に頼れる存在でした。
EDOに来ている方々も、話すだけで精神的にリラックスしている人も多いです。必要な場合は医療機関を紹介することもできます。元気に日本生活を送るお手伝いができれば心から嬉しく思います。
春は気持ちが不安定になりやすい季節です。
気温や環境の変化が大きく、この変化がストレスとなり、自律神経を乱しやすくします。
イライラしたり、怒りっぽかったり。自分の感情がうまくコントロールできない症状は、体がストレスを受けているサインです。
東洋医学では、春は五臓のうち「肝(かん)」の働きが強くなり過ぎてしまい、疲弊しやすい時期であると考えられています。
イライラ、怒りっぽいなどの症状が起きやすいのは、「肝」の自律神経調整機能がうまくいかず「気」が滞り、興奮して頭に血がのぼっている為です。
春を快適に過ごすために、「肝」の働きを助ける春に旬を迎える苦みのある食材を積極的にとりましょう。体内に溜め込まれた余分なものを排出する効能があります。熱を冷ましたり、水分を外に排出するため、便秘を解消してくれる効果も期待できます。
先日、NHKあさイチで過去に放送したもので人気のあった回を再放送していました。以下です。
春の特別編 4つに厳選!今度こそ続く“神ストレッチ”
NHK あさイチ(初回放送日: 2024年3月18日)
ストレッチの回だったのですが、番組内で整形外科の女医さんの言葉が光っていました。
「女性は45歳を過ぎたあたりから急に身体が硬くなりますから」
というような事を仰っていました。
更年期の症状の一つです。ホットフラッシュや不眠、倦怠感など様々なものがありますが、ホルモンバランスの変化で筋肉の柔軟性が失われてきます。
女性ホルモンのエストロゲンは身体の血流を良くして筋肉の柔軟性を保つ役割もしています。そのエストロゲンの分泌量が減ってくると、残念ながら身体が硬くなってきてしまいます。
鍼に来た方にストレッチのアドバイスをする事がありますが、日々のストレッチを習慣化する事は将来の自分への投資になります
〇 伸ばしている筋肉を意識する。ただ伸ばすのではなくアプローチしているのはどこなのかを感じながら行うと効果が上がります。
〇 呼吸を上手く利用する。息を吐く時に筋肉が弛緩します。ストレッチのポーズで数回深呼吸するのがおすすめです。ストレッチの種類にもよりますが、深呼吸をしながら一部位30秒は伸ばすと良いと思います。ストレッチのポイントは呼吸です。
〇 お風呂の後など身体が温まった状態で行う方が伸ばしやすい。
〇 痛みが出る場合はそのストレッチはやらない。無理はしない。
身体は正直です。やらないとどんどん硬くなりますが、やれば答えてくれます。お風呂やシャワーの後、筋肉が温まっている時、スポーツの後は是非やっていただきたいです。鍼灸は自律神経の状態を整えるのが得意です。それに合わせて是非ストレッチも取り入れてみてください。
鼻水や鼻づまり、目の痒み。今年も花粉症に悩まされる時期になりました。東洋医学では花粉症を、
・身体にこもった熱が炎症を悪化させる
・滞った水分が溢れ出している
という状態にあると考え、
①頭や顔のツボへの鍼灸
②頚肩周りのコリをほぐし、熱や滞っている水分を流す
③熱の原因となる胃腸を整える
このような治療を行っています。
食事で花粉症が改善されるケースがあるようですが、これは腸内環境が整えられる事でみられる反応のようで、鍼灸治療でも胃腸の調子を整える事、体質を改善していく事を目的としています。
慢性的な首肩こりや腰痛などの治療にあわせて、花粉症の治療も行っています。お試し下さい。
2月3日は冬から春へと季節が代わる節目にあたる日、節分。
その昔、京都の鞍馬に現れた鬼の目(魔目=まめ)大豆を投げつけたところ、鬼を退治することができた(魔滅=まめ)という話が残っているそうで、豆をまき邪気を祓う習慣が今でも残っている由来になっているようです。
そんな由緒のある豆ですが、食薬としても素晴らしい食材で、東洋医学では、体内の水の巡り(余分な水を排除し、必要なものは再循環させる)をよくする効果があると考えられています。
血行が悪くなりやすい冬場は、足腰に痛みやむくみが出やすく、泌尿器系のトラブルも多くなる時期です。豆類を意識的に食べ、水の巡りを助けてあげましょう。
豆にも色々な種類がありますが、それぞれに固有の効能があります。
黒豆
黒色や赤色の食材は血を養い巡らせる働きがあると考えられています。血行不良が起きやすい冬場にはぴったりな食材です。
大豆
胃腸を整える効果があり、だるさや疲れが取れない方におすすめです。
昆布・ひじきなどの黒色食材と合わせた煮物は、血行改善も期待できる、いまの時期にピッタリな食事になります。
今年の冬は温かく、過ごしやすい日が多いように感じますが、その温かさが嘘だったかのように、突然冷え込む日が続くなんて事もあります。
冷え込む日が続くと、つらくなるのが足の冷えです。「スカートを履くのをためらってしまう」「足先が冷たくなかなか温まらない、冷たすぎて眠れない」といった症状がでていませんか?
冷えの原因は様々ですが、血行不良、運動不足が考えられます。冷えと同時に『頭痛』『肩こり』『目眩』といった症状が見られる事があります。これは東洋医学では、下半身が冷えてしまうと、本来下半身を巡るはずの熱が上部に集まり、『頭痛、肩こり、目眩、吐き気』など、上半身の症状が引き起こされていると考えます。
頭痛や肩こりが、足を温めただけで緩和するということもあるのです。また、下痢、便秘、頻尿、生理痛なども足の冷えが原因である場合が多いのです。鍼灸が肩こりでも全身に鍼やお灸をすることがあるのはこのためです。
冷えがあるからといって、身体に痛みを感じるものではありません。気づかずに、もしくは気にせずに放置をしていませんか?冷えが原因で起きる症状が数多くあります。「冷え」侮るなかれです。
気温が低くなる冬は血流が滞りやすく、「筋肉が疲れやすい」「内臓の動きが鈍くなる」など冷えが原因の体調不良が起こりやすい季節です。
特に12月は多忙による身体へのストレスや疲れ、食べすぎ・飲みすぎで胃腸の不調が起こりやすい時期でもあります。
年末年始に飲食の機会が続き、疲れが回復しきれていないままで仕事が始まり、休んでいたのに身体が怠い、重たいなどの不調が続いてしまう‥‥こんな悪循環をおこさない為に、胃腸のケアは忘れずにしておきましょう。
●身体を冷やさない
・特に足腰を冷やさないように気をつけましょう。不意に触った足先が酷く冷えていたなんて事はありませんか?忘れがちな足先の防寒も忘れずに。
・なま物や冷たい飲み物は身体や内臓を冷やし、胃腸の調子を崩す原因になります。摂りすぎ、偏りすぎに気をつけましょう。
●休みでも身体は動かす
・外出時には遠回りを意識して、歩く距離を増やしてみる。
・自転車は使わずに歩いてみる。
・わざわざ階段を使ってみる。
など、足腰が鍛えられるよう、少しだけ身体に負荷をかけてみましょう。動いていないのに、エネルギー摂取ばかりが続けば、身体の消化器官が疲弊してしまいます。運動は冷えで滞りがちになる血流対策にもなるので、寒くて外出がきつい季節ですが、休みの間でも身体を動かす事は忘れずに。
肌荒れ、喉の乾燥、咳や鼻水が出て喉や鼻がすっきりしない・・・。
最近、空気の乾燥によるトラブルが気になりませんか?その症状、身体の内側が乾燥しているサインかもしれません。
五臓の一つ「肺」はからだを巡る気を調整・コントロールし、呼吸で新鮮な空気を取り入れ、古くて悪い気を体外に吐き出す働きをしています。
鼻〜喉〜気管支とつながる器官のため、外気の影響を受けやすく、乾燥にとても弱いという特徴があります。
肺の働きが低下すると、呼吸器系に不調が現れるため、長引く咳や、酷くなると喘息のような症状が起きたりすることもあります。
乾燥からからだを守るためにも、内側から潤いを作り出す食材を毎日の食事に取り入れることが重要です。
身体を潤すといわれている秋に旬を迎える「白い食材」と、気や血の巡りをよくし、余分な熱や湿気を発散させる効果がある「辛い食材」がおすすめです。
●白い食材
ゆり根 大根 白菜 豆腐など
●辛い食材
しそ ミョウガ パクチー わさびなど
幸福感を感じる要因と言われているホルモン「セロトニン」は、日光を浴びることで生成され、夜は「メラトニン」に変化して、良質な睡眠を促す役割があります。
夏から秋へと季節がかわる時期に気持ちが沈みやすくなるのは、日照時間が減り、陽の光を浴びる時間が減る事が原因に上げられます。
メラトニンの材料となる成分は「トリプトファン」。メラトニンを生成するには必要不可欠な成分で、食品からしか摂取できない必須アミノ酸です。
体内に取り込まれたトリプトファンは、脳内で日中セロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。
不安な気持ちを落ち着かせ、良質な睡眠のサポートをしてくれる「トリプルファン」は、大豆や卵、乳製品類、アーモンド、カボチャの種などのナッツ類に多く含まれています。
「なんだか気持ちが沈みやすい」、「良い睡眠が取れていない」時には、屋外での運動と食事を意識してみて下さい。