肩甲挙筋の鍼治療
肩こりの時にアプローチする筋肉シリーズ①
肩甲挙筋(けんこうきょきん)
起始 | 第1~4頸椎の横突起 |
停止 | 肩甲骨の上角、内側縁上部 |
頸椎の横の突起から、肩甲骨の上部にくっついている筋肉です。
この筋肉の作用
1肩の挙上(肩すくめる)
2肩甲骨の下方回旋
3首の同側への側屈と回旋
神経支配 肩甲背神経C5~C6
この筋肉が緊張する原因として、パソコンやスマホを見るときに頭を前に突き出した姿勢があります。背中を丸め、首を突き出し、肩甲骨が前に巻き、肩をすくめた状態になります。
この姿勢ですと、肩甲挙筋がずっと収縮した状態になり、長時間、長期間になると、肩甲挙筋の過緊張になります。
肩甲挙筋の緊張による症状
・肩こり、首の付け根~肩甲骨内側に重怠さ
・寝違え 首を横に倒したり、回旋させるときに痛む
・首の動作制限 首を反らす、回す、横に倒す動きに制限が出る
・神経・血管の圧迫による、腕の痺れ
肩甲挙筋への鍼灸のアプローチ
灸はあまり使わず、鍼で肩甲挙筋の過緊張を緩めるます。
・刺鍼部位
1、頸椎の横突起を触診していき、肩甲挙筋の緊張部位を探り、横突起に向けて鍼を刺入します
2、肩甲骨上角、肩甲骨上部内側縁に向けて、筋の硬結を探り刺入します
※筋の硬結:鍼灸業界では良く耳にする言葉で、筋肉が部分的に硬くなり、触るとコリコリとしこり状になっている部位です。押すと痛気持ちよい感じや、鍼を刺すとず~んとした響きを感じることが多い部位です。
肩甲挙筋が緩むと、首の可動域が増えます。肩甲骨が下に下がりやすくなり、呼吸も楽になることが多いです。
肩甲挙筋は肩こりの鍼治療には、よくアプローチする筋肉の一つです。
肩甲挙筋の緊張を作らない、姿勢・動作を身に着けるこが大事です。そのあたりもアドバイスしております。
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