初夏の不調と鍼灸ケア
早いもので、5月ももう終盤。春から初夏への移行期であるこの時期は、気温や湿度の上昇、生活リズムの変化によって体調を崩しやすい時季です。特に多く見られるのが、倦怠感、頭重感、むくみ、食欲不振、睡眠の質の低下といった不調です。
この時期は気温の上昇とともに冷たい飲食物が増え、内臓が冷えて消化機能が低下しやすくなります。また、湿度が高まることで体内の「湿(しつ)」が溜まりやすくなり、むくみ・重だるさ・頭の重さなどの症状を引き起こします。環境の変化に適応しようとすることで自律神経が乱れ、イライラや不眠といった精神的な不調を感じる方も少なくありません。
鍼灸では、こうした季節特有の不調に対して、身体全体のバランスを整え、自然治癒力を高めるアプローチを行います。
例えば、「陰陵泉」(いんりょうせん)は余分な水分を排出し、むくみや重だるさを改善させたり、「足三里」(あしさんり)は胃腸の働きを整え、食欲不振や倦怠感に効果があるといわれています。
体がだるい、なんとなく調子が悪い…。そんな時は鍼灸で、季節の変わり目を心地よく過ごすためのケアをしてみてはいかがでしょうか?
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