症例報告:食欲不振と不安感
30代 女性
食欲不振と不安感
目次
【 お困りの症状】
・食欲不振が続き、食事量が減っている
・不安感や緊張が常にある
【 お身体の状態と見立て】
・以前に比べ、最近食欲が大きく落ちている
・胃のあたりが重たく、食事が進まない
・普段から不安感や緊張を感じやすい
・夜になるとその感覚が強くなり、なかなか寝付けない
・肩や首の筋肉の緊張が強く、上手く力を抜くことが出来ない
・顔色が悪いことが多い
・手足が冷えやすい
最近、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスが増加。
気の巡りが悪く滞りやすい状態となっている。
気の滞りは、精神面の不安や緊張感を生む原因にもなり、胃腸の働きにも悪影響を与える。
忙しい日々の中で気力を使いすぎ、気が不足しやすい状態にあると思われる。
そのため、胃腸が本来の働きを保てなくなり、食欲不振や身体の冷えを引き起こしていると考えられる。
また、気温が下がってきたことで身体の代謝が低下し胃腸の調子がさらに悪化、
不安感がより強くなっていると考えられる。
【 鍼灸施術と経過 】
・全身の気を巡らせ、胃腸の働きを活性化する
・リラックス効果を高め、精神的な安定を促す
・冷えの改善を図り、身体全体のバランスを整える
初回施術では、全身の気の巡りを整え、ストレスにより緊張が強くなっている首肩のコリを緩和することを重点に施術を行った。
胃腸の不調を改善するため、腹部にある経穴にも刺鍼、内臓の働きをサポートすることを目的とした。
施術後、肩や首周りが軽くなり、少しリラックスできた気がするとのこと。
施術当日の夜は久々に寝付きが良く、翌朝の目覚めも良かった。
2回目以降の施術では、自律神経のバランスを整え、不安感や緊張感を軽減、リラックスを促す経穴を加える。
心を落ち着ける経穴を中心に施術を行った。
5回目の施術後には、食欲がさらに戻り、不安感も以前ほどは気にならなくなってきた。
また手足の温かさを感じるようになり、リラックスした状態が長く続くようになってきた。
最近では、食事を楽しむ余裕もでき、精神的にも安定してきたため、仕事にも集中できるようになってきた。
この良い状態を保つために定期的に鍼灸治療を続け、心身のバランスを整えながらストレスに負けない身体づくりを目指していきたいとのこと。
【 担当よりコメント 】
現代の生活環境では、仕事や人間関係のプレッシャーから不安感や緊張が生じやすく、
それが心身に大きな影響を与えることがあります。
特にストレスが胃腸の働きを低下させ、食欲不振を引き起こすケースは少なくありません。
鍼灸治療は、気の巡りを整え、心身をリラックスさせる効果があり、不安感や緊張を和らげるのに有効です。
日常生活において以下の点を意識していただくと良いと思います。
1. ストレスを感じたときには深呼吸、心を落ち着ける
2. 温かい食べ物や飲み物を取り入れて、胃腸の負担を軽減する
3. これからの寒い季節は衣服で体温を調整し、身体を冷やさないよう心がける
4. 定期的な運動やストレッチで、血行を良くする
季節の変わり目は、特に心身のバランスを崩しやすい時期でもありますので、
そんなときは是非とも鍼灸治療を是非ご活用下さい。
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