私がお世話になった先輩で「ある難病」に罹患した人がいます。難病と言っても様々ですが、その難病は身体のシステムの機能不全が起こり、発病から数年後に死に至る事が分かっている疾患です。

 

とてもきちんとした先輩で、毎年記念日には必ずメールをくださるので、ずっとやり取りが続いていました。ところが、今年は毎年必ずあったメール交換がありません。先輩自身がご自身で言っていた「いずれは…」の時期が来たのだと思います。まだ命はあってもメールを打つような状態ではない事が想像されます。

当たり前の健康、当たり前だと思っていた事は当たり前ではないんだなという事が最近身近に起こります。年齢を重ねるごとに友人、知人が亡くなったりという悲しいニュースが増えてきました。

 

健康に問題がない時、特に若い頃は病気になっても治るのが当たり前、健康なのが当たり前だと思っています。鍼灸院に来院されている人達でも急に病気を宣告された人達がいます。予期していなかったものが起こるのが人生です。それは分かっていても自分の身に降りかかった時、受け入れるのは簡単ではありません。

 

受容の五段階というものがあります。
死と死期の研究の先駆者で精神科医のエリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Kübler-Ross;1926〜2004年)が唱えたものです。
死期を目前に控えた人の多くは次の5つの感情的段階を経験すると言われています。

  • 第1段階:否認と孤立(denial & isolation)
  • 第2段階:怒り(anger)
  • 第3段階:取り引き(bargaining)
  • 第4段階:抑うつ(depression)
  • 第5段階:受容(acceptance)

 

受け入れがたい何かが急にやってきた時、こういう過程を辿るようです。当たり前の有り難さを感じる出来事が連続してして起こったので、受容の五段階を思い出しました。当たり前のことに感謝をしつつ、精進していきたいと思います。

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