来院する時に色んな不定愁訴を挙げる方で、必ず入る訴えが「足がパンパンに浮腫んで辛い」と言う方がいます。

年中通して足が浮腫む、足が重いという訴えはよく聞きますが、湿気が多い季節になると急増します。湿度が高いと皮膚表面から汗が蒸発しにくくなり、水分が排出されずに体にこもります。余分な水分が排出されずに身体に溜まっていると様々な深い症状が出てきます。

水分が上手く排出されなくなって一番分かりやすいのが「足のむくみ」ですが、頭痛、めまい、消化不良、肩こりなど様々な症状が現れます。足が重だるくて頭に熱が上がって火照るというのもよく聞きます。ずっと座っている職業の方は特にその傾向が強いです。

鍼灸治療で足のむくみがとれたと喜ばれるのは嬉しいことですが、浮腫みを解消する習慣をつけるのも手だと思います。股関節やふくらはぎを動かす運動やストレッチがお勧めです。筋肉を動かすことで、下半身に溜まっていた水分が動き始めます。筋肉が使われることで筋肉のポンプ作業が活発になり、血液を心臓に戻す力が強くなります。筋ポンプ作用が活発になると足のむくみだけでなく、冷えや肩こりの解消にもなります。

女性は元々筋肉量が少ないので水分を溜め込みやすい性質を持っています。軽く汗をかく程度の運動を習慣化するのがお勧めです。毎日ではなくてもいいですし、わざわざジムに行く必要はありません。ほんの少しで大丈夫です。自分にあった軽い運動を探してみてください。既に何かエクササイズをしているのに変化がない場合、違うものに変えてみるといいかもしれません。ただし頑張りすぎは禁物です。かえって疲れてしまってリカバリーに時間がかかる場合があります。ちょうど良い頃合いは人によって違います。

 

よく患者様から「自分で鍼を打つんですか?」と聞かれますが、私は軽い運動の習慣が健康の秘訣だと思います。確かに自分で鍼を打つこともあります。でも運動して体調維持する方が良いとわかり、鍼を常用はしていません。鍼灸院の宣伝にはなりませんが、健康であるための近道だと思います。

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