女性にとって月経は閉経するまであるものです。
月経に伴う不快な症状、生理痛や月経前PMS(月経前症候群)が辛いと訴える方は多いです。
生理痛で痛み止めを飲むのが当たり前だという方も少なくありません。閉経に近づくにつれて更年期障害も起こります。

産婦人科検診の必要性をあえて書く必要ないと思われるかもしれませんが、先日ちょっと思う事がありましたので、この場を借りて書かせて頂きたいと思います。

日本には産婦人科嫌いな人が多いようです。私がフランスにいた頃、日本人と結婚していたフランス人男性からぼやかれた事があります。フランスでは産婦人科に行くのは当たり前と男女共に認識がありますが、そのフランス人の奥様の日本人女性(30代)がいくら言っても産婦人科に行ってくれないから私に説得してくれないかと言われました。不安な症状があるので旦那さんは産婦人科に行こうと言うのに、奥さんは行きたくないとのこと。私が担当している患者さんでも産婦人科は行きたくないと言う人はいます。

生理痛が酷い場合は子宮内膜症や子宮筋腫の場合があります。異常がなければ、異常なしと言う事が分かります。
がん検診も行ってください。先日、子宮頸がんで手術を受けた方が来院されました。術後の後遺症に苦しんでオペ後のリンパ浮腫にも悩まされていました。20年以上前にオペをしたのにいまだに片足全体酷い浮腫が残っていました。

子宮頸がんは早期発見であれば手術をしなくても済みます。私は大丈夫、と思わないで欲しいです。
先日、私自身が当事者の体験をしました。

私は生理痛もないに等しく、月経周期の異常も特にないのですが、子宮頸がん検診を受けたら要検査でした。がんではなく「軽度異形成」でした。詳しく調べるために組織を取った結果は「異常なし」だったので良かったのですが、経過観察のため6ヶ月後に再び検診に行きます。異形成から悪性腫瘍に発展する場合もありますし、治癒する場合もあります。

(上のイラストは「子宮頸がん検診で異常が出たらどんな治療をするの? 予防に勝る治療なし」からお借りしました。)

 

不快症状は全くなかったので驚きました。
自分の身に起こってみないと分からないことがありますが、こういう体験ができて良かったと思います。
そんな時にタイミングよく子宮頸がんのオペで後遺症に苦しんだという方が来院されました。

世界の中で日本の子宮頸がん検診受診率は低いです。OECDの平均は60%くらい。日本は35か国中で下から5番目です。

(上記グラフも前述のサイトからお借りしました)

2019年5月に名古屋で行われた全日本鍼灸学会のテーマが女性についてでした。その時に産婦人科医の女医の先生が日本での産婦人科のお粗末さについて嘆いていた事を思い出しました。産婦人科は非常に重要な部門ですが、日本では羞恥心があるせいか、社会的にタブーであるせいか、産婦人科に行くたくない人も一定数います。名古屋の学会の発表者の産婦人科医によると、日本ではピルの認識についてもネガティブな意識の人が多いと言っていました。治療の為にピルを勧めても、飲みたくないという人が少なくないとのことです。

鍼灸院でできることとできない事がありますが、産婦人科検診は鍼灸院でできないことです。
産婦人科領域の鍼灸の方もいらしていますが、自分の体の状態については分かっていて欲しいと思います。

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