補寫
鍼灸には虚実を補寫するもの。
いきなり難しそうな言葉ですね。
鍼灸や東洋医学には、今の言葉には馴染みのない用語が沢山あります。
少し解説したいと思います。
虚実とは体の状態を表す言葉です
虚とは、冷えていたり、くすんでいたり、浮腫んでいたり、肌に張りが無い様な所です。血行が滞り元気が不足している状態。
実とは、虚とは逆で、熱があったり、赤くなっていたり、腫れていたり、している所です。炎症や筋肉が緊張している状態。
補寫とは
上に書いた、虚や実になっている所を、虚している所は血行を良くしたり、気の流れを補い作ってあげて元の元気な状態にしていきます。
実になっている所は、熱や腫れを散らしていくように寫という方法をとっていきます。寫とは抜くと言うような意味です。
このように、鍼灸は補と寫を使い分け、身体を均してバランスを整えていくのです。
具体例
肩こりで、カチコチになっていて、下半身が冷えている方の場合。
下半身は虚の状態となり、そのために上半身に緊張し実の状態となっています。
この場合、下半身の虚の部分を補ってあげるように治療を行いますと、カチコチの実の部分も弛んできます。
このように、実の部分に寫をしなくても良い場合もあります。
鍼灸の学校の時から、鍼灸は補寫を行うものとは知ってはいましたが、治療を行うにつれこのことがなるほどなと思う今日この頃です。
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