鍼灸や漢方、東洋医学は何を診ている?
東洋医学では心身の不調を起こす原因を大きく3つに分類して考えます。
それぞれが過度になったり、逆に不足していたりすることで、本来の身体のバランスが崩れ、健康が損なわれるという捉え方をします。
①外因
風、暑、寒、乾燥、湿気、火(熱)の6つの気候変化が人間の適応能力を超えた時に、この6つが体調を乱す原因(外邪)になります。
例えば湿気が余剰に体内に残っていると、胃腸の働きが低下し、下痢や食欲不振などがおこり、これからの時期によく起きますが、体内で潤いが不足した状態が続く(乾燥)と空咳が続くなどです。
②内因
喜ぶ、怒る、思う、憂う、悲しむ、怖がる、驚くの7つの感情が過度になると、不調の原因になることがあります。
例えば怒りが強くなりすぎると、目の充血や頭痛が起こったり、旅行の前日に嬉しすぎて眠れなくなる状態なども内因に当たります。
③不内外因
外因、内因どちらにも入らないものです。過労、暴飲暴食、運動不足などの生活習慣の乱れなどが原因となり、病気や不調になる場合です。
東洋医学的な独特の状態判断になりますが、鍼灸治療や漢方の処方の際には、問診や舌の状態・脈の強弱・腹の冷えや硬さを診て、不調の原因となっている内因や外因を探し、治療を行っています。
病院で診察を受けても「特に問題はないので様子をみましょう」で、なかなか不調が改善しない方には鍼灸治療の併用をおすすめします。
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