はり灸では腹診と言い、お腹を触って身体の状態を確かめていきます。
お腹は、つきたてお餅のようにふっくら柔らかい状態が良いとされています。
ストレス、姿勢、飲食のかたよりなどで、お腹に冷えや緊張、むくみ、瘀血(血の巡りが悪い状態)などの反応が出てきます。
腰痛で特徴的なのが、お臍の下、鼠径部付近に筋肉の緊張が出ている方が多いです。
ココには大腰筋と腸骨筋という筋肉があります。二つ合わせ腸腰筋といいます。この筋は股関節を前に曲げる筋肉です。インナーマッスルというやつです。
特に座りっぱなしの仕事の方は常に股関節を曲げているのでこの筋が硬くなりやすいです。
椅子に浅く座り腰を丸めた姿勢だとより筋肉が収縮し硬くなります。
この筋が硬くなって起きる腰痛の特徴として、
・椅子から立ち上がるときに腰が伸び辛く「痛ててっ」という状態になります。
・仰向けで寝ると腰が痛くなります。
・ぎっくり腰を起こしやすくなります。
・お臍から下が冷たく感じることがあります。生理痛を訴える方も多いです。
・歩くときに小股になります。
腰痛の方の多くはこの腸腰筋が硬くなっています。
痛みを感じるのは腰ですが、原因はこのお腹の奥の腸腰筋にあるので、痛みの出ている腰だけを揉んだり、鍼を打っても改善しないことが多く、この腸腰筋をしっかり緩め腰がしっかり伸びる状態を作っていくことが腰痛の改善には大事なのです。
腸腰筋を硬くしない3箇条
・30分に一回は立つ・歩く
・床やソファーには長く座らない
・腰を丸めて座らない
西村
今回はマニアックな話題です。お灸道具の話です
私が普段使っているのはこんな感じです。
①着火に便利なターボライター(サスティナブルなガス補充できるタイプ)
②灰皿 100均のやつ タバコ消し(線香の火を消すのに便利)
③艾(もぐさ)ヨモギでできています。これをごま~米粒大に捻って燃やします
今はこれを使っていますhttps://www.karadahouse.jp/fs/karada/gr_mogusa01/FGE00101
線香
香料を含まないので自然な香りです。山正の灸用線香です。お仏壇用と比べ太いので折れづらいのです。https://item.rakuten.co.jp/towatech2/046-0112-001/
お灸を据える動画です。こんな感じに捻っては火をつけを繰り返し熱を身体に入れていきます。
昔は自宅でお灸を据えていたようです。せんねん灸だけでなくお灸を極めたい方はセルフ灸お試しください。
※直接肌に据える灸は、小さい火傷になります。痕も残る場合もございます。
お灸はセルフケアにお勧めです。日本伝統のお灸を普及させる私の夢の一つでもあります。
西村
53歳 女性 人事関係
慢性的に肩こりを感じる。忙しくなると首の横から肩にかけてがちがちになる。
目次
・【 お困りの症状】
・【 お身体の状態と見立て】
・【 鍼灸施術方法と経過 】
・【 担当よりコメント 】
【 お困りの症状】
・首横から肩上部の筋のコリがひどい
・ひどくなると頭痛になることもある
・5年前に五十肩
・足はむくみやすい
【 お身体の状態と見立て】
・みぞおちまわり、上腹部の緊張が強い
・肩甲骨間の背中が板のようにがちがちに硬い
・肩をすくめている。
・こめかみに青筋あり
精神的な緊張あると肩をすくめる姿勢を取りやすい。首の前側には頸動脈がありココを守という本能が働いていると考えられる。寒いときもここを冷やさないよう肩をすくめる。
ストレスで肩をすくめやすいのは女性に多いように思う、ストレスに敏感に反応しやすいタイプの方は上半身の力が抜けなくなって首肩こりの症状を起こしやすい。また同時に食いしばりをしておりこめかみの筋肉が緊張し静脈(青筋)が浮いて見えることがある。
【 鍼灸施術と経過 】
・首横~肩甲骨、首前の筋肉の緊張をとる、左肩の動きに制限があるためココも施術。(辛い所の施術)
・上半身に緊張がある方は、下半身の緊張が少ない傾向にあり、下半身に力を入れやすい状態にする。(症状原因の根本となるところの施術)
・週一ペースで施術を6回行った。施術毎に緊張が出にくくなっている、肩0も下がり表情が柔らかくなった印象。
ご本人も大分楽になってきてメンタル面でもやる気が出てきたとの事です。
【 担当よりコメント 】
身体の状態は気持ちに影響します。在宅ワークの影響か気持ちが落ち込んでいる方が多く見られます。身体の動きが少なくなることが気持ちに影響しているように思います。
・EDO鍼灸治療院の症例報告
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明けましておめでとうございます。
一昨年、去年となかなか収束しないコロナ。
皆様も何かとご不安な日々を過ごされたかと存じます。
今年こそは、コロナが収まりのびのびと生活できる日が来ることをお祈りいたします。
今年も鍼灸を通して、皆様のお辛い症状の改善から健やかな体作りのお役に立てますよう、ますます精進いたします。
EDO鍼灸治療院スタッフ一同
今年も今日で営業終了です。今日最終日忙しくなりそうです。
今年もコロナの一年となりました。大変な時期に当院にご来院いただき誠にありがとうございました。
来年も皆様の、健やかな生活のお役に立てますよう精進いたします。
12/29 EDO鍼灸治療院 西村 章
肩甲骨はがしなどで、肩甲骨という骨を皆様ご存知かと思います。
今回は肩甲骨と首のコリの関係について書いてみたいと思います。
肩甲骨には腕、首、胸、肋骨、背骨といろんな方向にいく筋肉がくっついています。
パソコン仕事など、腕を常に前に出した作業を続けると、肩甲骨のポジションが前側に固定されてしまいます。
腕を前に出す+猫背で、肩甲骨は前方にすべる形となります。この時胸・脇・上腕二頭筋(力こぶ)の筋肉が縮んだ状態です。この肩前姿勢を取り続けると、胸・脇・上腕二頭筋は縮んだまま伸び辛くなり肩甲骨を介して肩甲骨内側の筋肉は引っ張らり、肩甲骨から首すじ・肩甲骨内側の凝り感・痛みの原因となります。
また肩甲骨のポジションが前に固定されると、胸を張れない・張り辛い状態になり、猫背が楽に感じるようになります。
このあたりに凝り・痛みを感じる
肩甲骨から首筋の凝り、肩甲骨内側の凝りはそこをグリグリマッサージしても緩みません。
キモは、胸、脇の肩甲骨につく筋肉にあります。ここを鍼で緩ませると肩甲骨が動くようになり、首筋の凝りも軽くなることが多いです。
斜角筋
斜角筋という筋肉をご存知でしょうか?
首の前側このあたりにある筋肉です。
首の前横にある筋肉なので、首を前に引っ張ったり、横に倒す作用をします。
施術を通して感じるのが、首の前側の凝りをあまり認識している人が少ないことです。
この筋肉を押すと、すごい痛みがある方が多く。首肩の施術には欠かせない筋肉なのです。
なぜ凝るの?
斜角筋は首を安定するために働いています。パソコンの画面をじっと見て猫背で作業していると頭が身体の前方に来て、この筋肉が固まってきます。頭前姿勢がこの筋が凝る原因の一つです。
またむち打ちなどで、首が急に後ろに持っていかれる衝撃が加わると、頚椎を損傷しないようこの筋が強く収縮します。この収縮が後々まで残り、斜角筋の凝りの原因となっていることもあります。
斜角筋は呼吸筋としての働きもあり、胸式呼吸の方も凝る原因の一つとして考えられます。
どんな症状がでる?
この筋が凝ると、肩甲骨の内側や胸、腕に痛みやしびれを感じることがあります。
この筋肉は前・中・後と三つの筋肉で、隙間を腕や肩、胸に分布する神経が通っています。
この筋肉が凝りすぎると、この神経を圧迫し、肩甲骨の内側、胸の凝り感、手のしびれの原因になります。
赤い所が斜角筋由来の症状の出やすいポイントです
施術のポイント
いくら肩甲骨の内側を揉んでも解決しないコリがあります。
原因が違うところにあるからなのです。
この筋肉を施術すると、肩や胸、腕の違和感がスッキリすることがあります。また呼吸にも関わる筋肉なので呼吸も楽に感じます。
鍼灸の施術ポイントの一つをご紹介しました。
40代 性別男性
10年前より、胸の重苦しさを感じることあり、しばらく落ち着いていたが、最近胸が引っ張られるような感じと動悸がして辛い
・【 お困りの症状】
・【 お身体の状態と見立て】
・【 鍼灸施術方法と経過 】
・【 担当よりコメント 】
【 お困りの症状】
・胸の重苦しさ、引っ張られる感じ、動悸
・症状が出ると仕事もできない
・寝つきの悪さ 1・2時間かかる
・10年程下痢あり
症状の出ている部位 両乳頭の間・胸骨部凹んで見える
【 お身体の状態と見立て】
・お腹を見ると、胸骨の部分が凹んでいるように見える
・下腹部(おへその下)を触ると、冷えとベコベコと弾力が無い 小腹不仁
・季肋部(みぞおちの横側)に硬さあり 胸脇苦満
下腹部の冷えと力のなさは小腹不仁とよばれ足腰下半身の力が少ない状態を表します。
みぞおち周りの硬さは胸脇苦満といい精神的ストレスが続くと出る所見です。
下腹部に力がない方は、お腹上部に緊張が見られることが多く、上半身が緊張やすく下半身が力がないという特徴があります。
この方の場合、肋骨、背部の筋肉の緊張が強く、呼吸時に胸が開きづらくなり胸の苦しさが出ていると考えられます。
【 鍼灸施術と経過 】
このように上半身に緊張し下半身に力がないような状態を改善するには、先ず上半身の緊張を緩めると同時に下半身に力が入りやすい状態を作ることが大事です。
実際の施術内容
・胸、首、肩、背中、緊張の出ている部位に鍼+透熱灸(ちくっと熱い灸)
・骨盤周りのツボ、下腹部に鍼+温灸(気持ちよい暖かさの灸)
2週に一回の施術を行う。
施術毎に上半身の緊張が緩むと共に症状は出にくくなっている。
仕事に追われていて寝つきが悪くなることがあり、症状の再発することもあるが長くは続かない。
胸骨部の凹みは目立たなくなってきた。骨の変形によるものと思っていたが、周りの筋肉の緊張の影響により凹みが出ていたのではと思われる。7回の施術時には胸の症状は治まっている。継続して症状が出にくい体作りのために施術を行っている。
【 担当よりコメント 】
鍼灸では身体の緊張している部分を実。力がない冷えている部分を虚と表します。
緊張している実の部分は比較的早くとれますが、虚の部分は長い生活習慣の中でできた疲労や冷えの蓄積となった部分で、虚の状態が強くなると、じっくりと施術を行っていく必要があります。また生活習慣の改善・工夫も必要となります。
・EDO鍼灸治療院の症例報告
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この一年半常にマスクをつけていますが。最近なんだか顎周りやほほ骨あたりが疲れた感覚があります。
患者さんの状態もみていると、アゴ周りの筋肉が強ばっている方が以前より多く見られます。
原因は、常に顎が上後ろに引っ張られるため、顎を前に出す筋肉や顎を開く筋肉が疲労を起こし、顎の痛み、顔の強ばりを起こしていると考えられます。
顎を前に出す筋肉
顎を開く筋肉
おすすめ顎筋のセルフケア
アイ~ン
志村けんさんのアイ~ンのように顎を突き出す動き。外側翼突筋という顎の筋肉を使います。ほほ骨あ辺りにあります。
奥に押し込まれた下あごを、引き出してあげるイメージで動かしましょう。固まった外側翼突筋を動かしてあげましょう!
※アイ~ンの手の動きはしてもしなくともOKです
口の開け閉め
マスクをしていると顎の動きが小さくなりがちです。可動域いっぱいまで口を開け閉めします。
ゆっくり開け閉めするのがポイントです。
顎の開け閉めにかかわる筋肉の動きを良くしてあげましょう!
※顎に痛みやゴリゴリと音がする場合はお控えください
顎首反らし
口を開く筋肉は、顎の下側~喉仏の上側についています。
マスクをしていると、口を開くときに抵抗になり、この部分の筋肉が疲労していしまいます。
首を後ろに反らし、このまま先ほどやったアイ~ンを同時に行いましょう。
※首の後ろ側に痛みがある方はやめておいてください。
※全てのエクササイズは、おまぬけな顔になりますので、人に見られない場所で行いましょう
30代 女性
資格試験の勉強をはじめ肩の凝りと寝つきがよくない
目次
・【 お困りの症状】
・【 お身体の状態と見立て】
・【 鍼灸施術方法と経過 】
・【 担当よりコメント 】
【 お困りの症状】
・左肩の凝りが強く勉強に集中できない
・寝つきが良くない、2時間ほど寝つきにかかる
・頭がぼーっとして集中できない
【 お身体の状態と見立て】
・左肩からうなじにかけての筋肉の強ばりがつよい
・左肩甲骨が後ろに動きづらい
・お腹 上腹部の張り強い
資格試験はPC作業に比べ、下を向くことが多いため、頭の重さが首にかかり、首~肩後ろの凝りが強くなって症状が出ていると考えられる。うなじ部分のこりは、脳の血流、自律神経に影響し、不眠、めまい、頭痛、耳の症状などを起こしやすい。
【 鍼灸施術と経過 】
・初回つらい部分、首肩を中心に施術を最初に行う
・2回目以降は、全身の状態を良くする目的でお腹、手足お腹など全体の施術を行なう。施術行った日は特に寝つきが良い。
・週に一回のペースで6回施術を行う。首肩の目立った凝りは消失し、顔色が良くなる。首肩の凝りも和らぎ勉強に集中できるとの事、寝つきも以前よりも良い。
【 担当よりコメント 】
首のコリは、頭の血流、自律神経に影響して、頭痛、めまい、不眠などの原因になると考えられます。
首コリを改善するには、首の施術はもちろん必要ですが、全身の状態が首に影響します。ですので、施術は全身行う必要が根本的改善には必要となります。
・EDO鍼灸治療院の症例報告
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