症例:左足裏の痛み(足底筋膜炎)

50歳 男性 H26年8月末来院

症状:

2ヶ月くらい前から歩きだしの一歩目(特に起床時)に土踏まずのカカト近くに痛みがでる。
5~10分くらい歩いていると、左の足裏の外側(小指側)に痛みが移ってくる。

状態:

左の土踏まずと左ふくらはぎに筋の緊張、左足底の踵付近に押すと痛むポイントが数点、左腰と左殿部に筋の筋張り。足首を動かしてみると、左足首が曲がりにくい。休日にはジョギング(5~6㌔)やゴルフ、卓球をしていたが痛みがではじめてからは、運動ができない。

治療:

左足首の動きにくさは、ふくらはぎの筋肉が伸びにくくなっている事が考えられる。左の腰~お尻の緊張は歩行時の痛みを回避する為に癖のある歩き方をしているせいか、日常生活の中での癖が偏った緊張を引き起こしているものと考え、並行して治療をしていく。

 

1診:

痛みの出るカカトの周囲の筋肉をチェック、特に緊張が強く出ていた土踏まずの周囲にある筋肉と左ふくらはぎの筋肉それと腰からお尻にかけて緊張している筋肉を緩める鍼をおこなう。足底とふくらはぎには鍼を打ち電気を通して、緊張をほぐしていく通電療法を使う。運動は筋肉に負荷をかけない為にも、しばらく中止してもらう。

使用穴:腎兪、大腸兪、殿圧、裏環跳、包肓、左フクリュウ、左承筋、左承山、左タイケイ、足三里

2診:

前回の治療後から、踏み出した時の足底の痛みが少し減っている。5分位歩いていると出ていた足底の外側の痛みも、延びてきている。

3診:

仕事の為、しばらく来院できず2週間あいてしまったが、20~30分のくらいの歩行でも痛みが出なくなっている。踏み出すときの痛みも、ピーク時の半分くらいになってきた。状況の確認の為にも、無理のない範囲で運動を始めてもらう。

4診:

今週、久しぶりにコースにでてゴルフ。午前中は足底の痛みはでていなかったが、午後になると足底の外側に痛みがではじめた。炎症もだいぶ治まっているようなので、足底の痛みが出るポイントにお灸を用いる。

5診:

昨日ボーリングをしてきたが、踏み込んでも痛みはなかった。歩行中に痛みが出る場所が、足底の外側から中央部と左の外くるぶしに変わってきた。腰~お尻にあった筋肉の緊張の左右差もあまり感じなくなった。

6診:

前回でていた左足裏の中央と左外くるぶしの痛みは消えた。2~3日前から左のふくらはぎに痛みがでてきた。少しの時間のジョギングなどは問題なく、踏み出し時の痛みも今はほとんどない。

7診:

左ふくらはぎの痛みが消えると、足の裏を指で押した時に残っていた痛みも消えた。長い時間歩かない限り、痛みはでなくなった。ふくらはぎと土踏まずの筋肉の緊張がとれてきたので、3週間に1回の治療に変更する。

担当より

足底は歩行中、常に荷重がかかるため、痛みがとれるまでに時間がかかる事が多くみられます。痛みを回避するように歩くため、違う場所にも痛みや筋肉の緊張を作るので、継続し、治療効果を重ねていく事が大切になります。日頃から運動をしている方なら、特に日々のケアーが重要です。この方も様子を見ながら治療を継続中です。

« 前の記事:

次の記事: »